中央農業研究センター

飼料調製グループ

TMR(混合飼料)を食べる乳牛

わが国の畜産は、エネルギーベースで7割以上の飼料が輸入されています。この状況から一刻も早く脱却し、他国に頼らずとも良質な畜産物を安定生産できるよう、飼料自給率の向上を図る必要があります。一方、大規模化や高齢化が進行している現在の養牛農家では、労働力不足が顕在化し、農家単独で飼料生産量を増やすことは難しい状況にあります。そこで、自給飼料の生産・調製を請け負うコントラクターや、飼料の混合・供給を担うTMR(混合飼料)センターが増加しています。飼料調製グループでは、都府県(特に暖地・温暖地)の水田で飼料として生産される籾米や高消化性飼料用イネなどを活用した乳・肉用牛向け飼料の高品質低コスト生産技術を開発し、養牛農家の他、コントラクターやTMRセンターでの利用を視野に入れた技術の普及を目指します。具体的には、現状25円/kgかかる飼料用米の加工・保管費を10円/kg未満に低減する良質な籾米サイレージの大量調製・貯蔵技術や、糖含量が多く高品質であるものの開封・給与時のカビ発生が危惧される稲発酵粗飼料(高糖分高消化性タイプ)のカビ対策技術、汎用型微細断収穫機による稲発酵粗飼料の高効率・低コスト収穫調製システム(西日本農研の中課題への参画)、搾乳ロボット向け飼料給与の適正化技術などの開発に取り組みます。これら成果のうち受け渡し可能なものについては、マニュアルやパンフレットを作成し、農研機構が開催するシンポジウムや、各種現地検討会等で配付・説明し、普及関係者、コントラクター職員、TMRセンター職員および生産者の皆さまへの情報発信に努めます。

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