食品研究部門

食品物理機能ユニット

役割

農林水産物は、何段階かの加工を経て様々な食品になり、調理された後、摂食され、消化されます。これらの各工程において、物理特性は大きく変化し、加工適性、食品の品質、美味しさ、摂食中の挙動、消化性等に影響を与えています。食品物理機能ユニットでは、この物理特性等に着目して、美味しさに関わる食品機能(感覚機能)を中心に、栄養や生体調節機能も含めた新たな品質特性評価技術の開発に関する試験研究を行っています。

主な研究テーマ

・ 摂食中の食品の物理特性評価

食品加工前後の物理特性は古くから研究されていますが、近年、摂食中の食品変化を扱うFood Oral Processingという分野が注目されてきました。少子高齢化が進み、高齢者向け食品のニーズも高まっています。本課題では摂食中における食品の物理特性の新規な評価法を確立し、農水省が推進している新しい介護食品(スマイルケア食)等への応用を目指しています。食品の種類、大きさ、食べる人や食べ方によって変わるテクスチャー(食感)を、筋電位、超音波エコー、多点シートセンサ等を用いて摂食中の人で測定し、機器測定で得た力学特性との関係を調べています。(神山)

・ヒト胃消化シミュレーターの開発および応用研究

ヒト胃のぜん動運動が定量的に模擬され、なおかつ物理的・化学的消化プロセスも考慮したヒト胃消化シミュレーターを筑波大学と共同で開発しました。胃消化シミュレーターを利用することにより、食品粒子の微細化挙動をリアルタイムでの直接観察により把握可能です。胃消化プロセスを総合的に評価可能なin vitro手法として、食品の研究開発現場で活用可能になることを目指しています。(小林)

・マイクロチャネル乳化技術およびその応用技術の開発
(先端食品加工技術ユニットと共同で実施)

平板溝型および貫通型マイクロチャネルアレイを用いて、安定な均一径微小液滴(直径1~500ミクロン程度)を効率良く作製できる技術に関する研究開発を行っています。この技術を利用した高機能な均一径エマルション・微粒子・マイクロカプセルの作製技術に関する研究開発も進めており、付加価値の高い乳化食品の開発等への応用を目指しています。(小林)

メンバー

ユニット長

神山 かおる(こうやま かおる)/専門:食品物理学、テクスチャー評価

上級研究員

小林 功(こばやし いさお)/専門:食品工学、プロセス工学

主要成果

こちらをご覧ください。