食品総合研究所

機能性成分解析ユニット

役割

食品の機能に関わる成分について研究しています。主な内容は、食品成分の化学的な特徴を解析して機能性を評価する研究と、機能成分の利用方法に関する研究の二つです。実験的な手法としては、マウス・ラットやヒトの細胞を使い、食品成分がそれらの細胞に与える影響を調べ、機能性を評価します。また、細胞で効果が確認されたものについては動物への投与実験も行います。その他、試験管内での食品成分の機能性として、生体調節のカギになる酵素や酸化還元などの化学反応を利用した評価も行っています。これらの研究により、炎症抑制や、免疫系などの生体調節に効果がある食品成分と、その作用の仕組みが明らかになってきています。

 

主な研究テーマ

食品による病気への抵抗力の増強およびアレルギー予防

アレルギーモデル
(マウスの背中に、抗原特異的に皮膚アナフィラキシー反応が 起きているのを可視化した様子:光が強いほどアレルギー反応が 強く出ていることを示す。)

免疫系の活性化や生体防御機構の制御効果のある食品成分が農産物に含まれているかの探索を行っています。ラットやマウス、培養細胞などを使って、ヒトがアレルギーになるしくみを解明し、その知見に基づき食品成分による免疫の活性化や過剰な免疫反応であるアレルギーの抑制の可能性を探っています。

 

抗酸化成分に関する研究

酸化ストレスが生活習慣病をはじめとする様々な疾患に関係することが知られるようになり、抗酸化物質を摂取することの重要性が増してきています。しかし、農産物・食品の抗酸化能評価には様々な方法が存在しており、相互に値を比較することができません。そのため、統一的な評価基準が必要と考え、抗酸化能を評価する手法(Oxygen radical absorbance capacity: ORAC法)等の標準化を進めています。また、生体内の酸化を抑制するような抗酸化成分を農産物から見つけ、生体内への吸収や、吸収後の活性などについても研究しています。
抗酸化能を評価する手法

 

メンバー

ユニット長
石川 祐子(いしかわ ゆうこ)/専門:食品機能学

主任研究員
後藤 真生(ごとう まさお)/専門:食品免疫学
渡辺 純(わたなべ じゅん)/専門:食品機能学

研究員
若木 学(わかぎ まなぶ)/専門:食品化学
荻田 佑(おぎた たすく)/専門:食品機能学

 

主要成果

原著論文

  • Watanabe J., Oki T., Takebayashi J., Yamasaki K., Takano-Ishikawa Y., Hino A., Yasui A.: Method validation by interlaboratory studies of improved hydrophilic oxygen radical absorbance capacity methods for the determination of antioxidant capacities of antioxidant solutions and food extracts. Analytical Sciences, 28(2):159-165 (2012)
  • Takano-Ishikawa Y., Watanabe J., Goto M., Rao L. J. M., Ramalakshmi K.: Antioxidant potential of green and black teas of selected south India cultivars. Japan Agricultural Research Quarterly, 46(1):81-87 (2012)
  • Goto M., Takano-Ishikawa Y., Shinmoto H.: Effect of caffeine on antigen-specific immune responses of mouse splenocytes. 食品総合研究所報告, 75:17-23 (2011)
  • Goto M., Takano-Ishikawa Y., Watanabe J.: In vitro effect of coffee on antigen specific immune responses of naive splenocytes. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 75(2):393-395 (2011)
  • Takebayashi J., Oki T., Chen J., Sato M., Matsumoto T., Taku K., Tsubota-Utsugi, M. Watanabe J., Ishimi Y.: Estimated average daily intake of antioxidants from typical vegetables consumed in Japan: a preliminary study. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 74(10):2137-2140 (2010)
  • 渡辺純、沖智之、竹林純、山崎光司、津志田藤二郎: 抗酸化能測定法であるH-ORAC法の室間共同試験. 日本食品科学工学会誌, 57(12):525-531 (2010)

特許

  • 後藤真生・石川祐子:アレルギー重症度のインデックス化方法(特許第4834819号)(2011)
  • 八巻幸二・石川祐子: 動物の血管透過性の高感度迅速測定法(特許第4119981号)(2008)