食品総合研究所

蛋白質素材ユニット

役割

  • 日本人の食生活においてタンパク質の主な給源となっている食品、食品関連タンパク質さらには、未利用・低利用タンパク質について、その特性を明らかにし、食料資源の高度利用を図ることや新たな分析評価手法の確立を目指して研究しています。

 

主な研究テーマ

蛋白質構造の改変による新規食品の開発研究

天然ペプチド「グルタチオン」を利用したグルテンフリー米粉パンの開発
米粉生地にグルタチオンを添加することで、小麦粉やグルテンを添加せずにパンが膨らむことがわかりました。基本原料は米粉と水、グルタチオン、酵母、砂糖のみです。一般的に小麦粉パンに必要とされる食塩の添加は必要ありません。そこで、小麦アレルギーの方や高血圧、腎臓病の方にも召し上がっていただけるようなパンの実用化を目指しています。
グルテンフリー米粉パンの開発
一方、精製したグルタチオンは米国や東南アジアでは食品として認められていますが、日本では現在のところ医薬品に分類されています。グルタチオンは酵母につくらせることができ、酵母エキスは食品として利用できますので、パンに利用できる酵母エキスの開発を並行して進めています。


食物アレルギーに関する研究

現在、乳児が約10%、3歳児が約5%、全年齢で推定1-2%の国民が何らかの食物アレルギーを持っており、さらにその患者数は特に小児において増加傾向にあるといわれております。そこで、アレルゲン低減加工技術の開発やアレルゲンの検出手法の開発を目指し、主に米やソバを対象とし、食物アレルギーの原因物質であるアレルゲンの検出・同定やその詳細な解析、並びにアレルゲン低減加工技術の探索に関する研究を行っています。
アレルゲンの検出手法の開発

 

メンバー

ユニット長
矢野 裕之(やの ひろゆき)

主要成果

  • Yano H (2012) Comparison of oxidized and reduced glutathione in the bread-making qualities of rice batter. J. Food Sci., in press
  • 矢野裕之,竹内正彦,加藤(江森)澄恵,我妻義則,田口計哉,岡澤由晃,西澤賢一,黒田 秧 (2012) 澱粉の糊化と酵素処理が米蛋白質の溶解性に与える影響.食品総合研究所研究報告. 76, 1-7.
  • Satoh R, Nakamura R, Komatsu A, Oshima M, Teshima R (2011) Proteomic analysis of known and candidate rice allergens between non-transgenic and transgenic plants, Regulatory Toxicology and Pharmacology, 59(3), 437-444.
  • 佐藤里絵, 中村里香, 手島玲子 (2011) イムノプロテオミクス手法を用いたソバIgE結合タンパク質の網羅的検出, 日本食品化学学会誌, 18(2), 103-109.
  • 矢野裕之,竹内正彦,加藤(江森)澄恵,我妻義則,佐藤里絵,田口計哉,岡澤由晃,西澤賢一,黒田 秧 (2011) 米澱粉の糊化における蛋白質の溶解性変化に関する解析.食品総合研究所研究報告. 75, 1-8.
  • Yano H (2010) Improvements in the bread-making quality of gluten-free rice batter by glutathione. J. Agr. Food Chem., 58, 7949-7954.
  • Satoh R, Koyano S, Takagi K, Nakamura R, Teshima R (2010) Identification of an IgE-binding epitope of a major buckwheat allergen, BWp16, by SPOTs assay and mimotope screening, International Archives of Allergy and Immunology, 153(2), 133-140.