食品総合研究所

先端加工技術ユニット

役割

食品加工による食の安全性の向上や機能性の高度利用を図るため、交流高電界プロセスを利用した殺菌技術、マイクロチャネルアレイを利用した乳化技術等の先端的な食品の加工技術に関する研究に取り組んでいます。

 

主な研究テーマ

電気的プロセスの食品加工への応用

電気的処理により、食品の高品質な加熱、酵素失活等を目的とした研究を行っています。

高電界による食品の高品質殺菌技術に関する研究

交流高電界電気的プロセスを利用した殺菌技術とは、食品に高電界を加えた場合、食品中を流れる電流による急激な温度上昇と同時に、印加された高電界の効果によって微生物が損傷を受けるため、短時間で微生物を死滅することを利用したものです。例えば、オレンジジュースの殺菌に本技術を応用すると、0.1秒以内でオレンジジュース中の微生物をほとんど死滅させることができるので、従来の殺菌法に比べて、オレンジ本来の香りや栄養成分を保持したフレッシュなジュースを作ることができます。
交流高電界殺菌
交流高電界殺菌装置


 交流高電界殺菌装置

マイクロチャネル乳化技術およびその応用技術の開発

平板溝型および貫通孔型マイクロチャネルアレイを用いて安定な均一径微小液滴(直径1~100ミクロン程度)を効率よく作製できる技術を食品工学研究領域長室と共同で研究開発しています。この技術を利用した高機能・高品質な均一径エマルション・微粒子・マイクロカプセルの作製技術の研究開発も行っており、乳化食品やドラッグデリバリーシステム(DDS)などへの応用を目指しています。

平板溝型および貫通孔型マイクロチャネルアレイ

また、CFD(Computational Fluid Dynamics、数値流体力学)を利用したマイクロチャネルから微小液滴が作製されるプロセスのシミュレーションと解析を行っています。CFDは様々な流体の流れに関わる問題をコンピューター解析する技術であり、CFDを利用することでマイクロチャネルから微小液滴が作製される現象を詳細に可視化・数値解析することが可能です。本研究では、均一径微小液滴を最大効率で作製するために必要なマイクロチャネルの微細構造の最適化を図ることなどを目的としています。
マイクロチャネル乳化プロセスのCFDシミュレーション

 

メンバー

ユニット長
植村 邦彦(うえむら くにひこ)/専門:食品工学、電子工学

主任研究員
小林 功(こばやし いさお)/専門:食品工学、化学工学 (乳化・微粒化プロセス)

 

主要成果

  • Uemura, K. and Isobe, S.: Developing a new apparatus for inactivating Bacillus subtilis spore in orange juice with high electric field AC under pressurized conditions., Journal of Food Engineering, 56, 325-329(2003)
  • Uemura, K. and Isobe, S.: Developing a new apparatus for inactivating Escherichia coli in saline water with high electric field AC., Journal of Food Engineering, 53, 203-207(2002)
  • 液体の連続殺菌装置および液体の連続殺菌方法、特許第2964037号(1999)
  • 液体の連続殺菌装置および液体の連続殺菌方法、特許第2848591号(1998)
  • I. Kobayashi, S. Mukataka, M. Nakajima: Novel asymmetric through-hole array microfabricated on a silicon plate for formulating monodisperse emulsions, Langmuir, 21(17), 7629-7632 (2005)
  • I. Kobayashi, S. Mukataka, M. Nakajima: CFD simulation and analysis of emulsion droplet formation from straight-through microchannels, Langmuir, 20, 9868-9877 (2004)
  • I. Kobayashi, S. Mukataka, M. Nakajima: Effect of slot aspect ratio on droplet formation from silicon straight-through microchannels, Journal of Colloid Interface Science, 279, 277-280 (2004)
  • I. Kobayashi, M. Nakajima, S. Mukataka: Preparation characteristics of oil-in-water emulsions using differently charged surfactants in straight- through microchannel emulsification. Colloids and Surfaces A, 229, 33-41 (2003)
  • I. Kobayashi, M. Nakajima, K. Chun, Y. Kikuchi H. Fujita: Silicon array of Elongated Through-Holes for Monodisperse Emulsion Droplets, AIChE Jounal, 48(8), 1639-1644 (2002)
  • マイクロスフィアの製造装置および製造方法、中嶋光敏、小林 功、特開2006-110505、平成18年4月27日公開
  • マイクロスフィアの製造方法および製造装置、中嶋光敏、藤田博之、菊池佑二、小林 功、特許3511238号、平成16年1月16日登録