食品総合研究所

食品機能研究領域

食品の本質的機能の解明 

食品機能研究領域長 山本(前田)万里(Mari MAEDA-YAMAMOTO)

食品機能領域長食品には、三つの基本的な機能があります。その一つが最も重要な栄養機能(一次機能)であり、次が感覚・嗜好機能(二次機能)、そして三つ目が健康の維持や向上に関与する生体調節機能(三次機能)です。これら、食品の本質的な機能を解明するため、本研究領域は、アレルギーや肥満・体脂肪さらには血糖等に影響を与える食品や食品成分に着目し、ニュートリゲノミクス研究など新しい機能性評価方法による信頼性の高い評価を行うとともに、ヒトによる機能性の実証に取り組みます。また、嗜好性など食と人間の関わりを科学的に理解するため、咀嚼特性等の物性の解析、味覚応答機構ならびに味覚修飾物質の解明、さらにはそれらの脳内処理メカニズムの解析を通じて、心理的な課題も視野に入れつつ、われわれ人間の食認知に関する科学的解明を目指します。

[略歴と研究業績]

研究領域背景

食品の主要栄養素は

生命現象を営むために必要不可欠なエネルギー源や生体構成成分の補給としての役割(一次機能)に加え体調のリズム調節や疾病の予防・回復など、健康を維持する三次機能を持っています。本ユニットでは主に動物実験により種々の栄養素・食品成分およびその組み合わせが脂質・エネルギー代謝に与える作用とその発現機構を分子レベルで解明し、循環器性疾患・肥満等の生活習慣病の予防に有効な食品や食生活の提案を目指した研究に取り組んでいます。

食品の機能性成分の

化学的な特徴を解析して機能性を評価する研究と、機能成分の利用方法に関する研究を行っています。実験的な手法としては、マウス・ラットやヒトの細胞を使い、食品成分がそれらの細胞に与える影響を調べ、機能性を評価します。また、細胞で効果が確認されたものについては動物への投与実験も行います。これらの研究により、ガンや血管系の疾病予防、免疫系などの生体調節に効果がある食品成分と、その作用の仕組みが明らかになりつつあります。

食品の機能性評価法の開発が

進展し、一つの食品がいろいろな機能性を示すことが明らかになってきていますが、人によって、また体調によってその効果は異なります。そのため、食品の働きを遺伝子レベルで明らかにするニュートリゲノミクスの手法を用いた評価など、食品の機能性を総合的に評価するための新しい評価法の開発を行っています。また、食品が機能性を示す仕組みを分子レベルで明らかにして、評価に役立てています。

食品の生理的な機能性を評価するため

  味を感じる仕組みの解明を目指し、遺伝子や分子を対象にしたミクロな研究から動物、人の脳・心理を対象としたマクロな研究までを行っており、「舌の先から脳の向こうまで」様々な角度からその仕組みを調べています。糖尿病や高血圧などの食事制限のある人にも美味しく食事を摂ってもらえるようになることを目指して日々研究を進めています。

食品の硬さや粘り等の物理的な因子"テクスチャー"は

「おいしさ」に関わる重要な性質です。また、高齢社会ではテクスチャーをコントロールして食べやすさや消化しやすさを変えた食品の必要性が高まっています。機器測定、官能評価、ヒトの計測による食品テクスチャー評価、食品の力学的特性と機能との関係解明などに取り組んでいます。

 

研究課題

  • 高性能機器及び生体情報等を活用した食品評価技術の開発
  • 食品の持つ機能性の利用・制御技術及び機能性食品の開発
  • 先端技術を活用した食品の加工利用技術の開発
  • 農産物・食品の機能性評価技術の開発及び機能性の解明

主な研究成果

所属ユニット

上席研究員
栄養機能ユニット
機能性成分解析ユニット
機能性評価技術ユニット
機能生理評価ユニット
食認知科学ユニット
食品物性ユニット