食品総合研究所

食品安全研究領域

食の安全性確保

食品安全研究領域長 等々力節子(Setsuko TODORIKI)

食品安全研究領域長  農畜産物や水産物などの食品原料は、様々な加工・流通過程を通じて、最終的に消費者の食卓まで届きます。食品の安全性を確保するためには、このような生産から食卓までの「フードチェーン」全体を通じて、それぞれの段階に関与する人が責任をもって「安全な食品」を作る・提供するように努力する必要があります。本研究領域では、食品を汚染する可能性がある放射性物質や有害な化学物質・微生物や害虫が「どのようにして健康危害や品質劣化を引き起こすのか」、あるいは「農場や食品加工現場で、どのような対策を行えば、このような化学物質・微生物・害虫を減らす・殺すことができるのか」という点を中心に研究や技術開発を行っています。

 

研究領域背景

食品照射技術は

加熱や冷蔵のような食品の物理的処理技術のひとつで、殺菌や殺虫、発芽抑制などが可能です。我が国におけるこの技術のあり方については、情報公開と消費者を交えた議論が必要ですが、そのための科学的データや客観的な情報提供を行っています。なお、日本食品照射研究協議会の事務局として、食品照射に関する情報提供も行っています。

放射性セシウムの食品中での動き

食品衛生法において、基準値を定められたこれらの放射性物質が、食品として加工・調理されていく際にどのように分配されていくのかという研究は、個人及び企業での食品加工において重要であるだけでなく、行政による食品全体においての制御にも役立ちます。食品総合研究所の放射性物質影響ワーキンググループの事務局として、食品総合研究所内の多くの食品分野の専門家だけでなく、研究所外での食品及び放射性物質の測定の専門家などとの連携により、これらの研究開発を実施しています。

人はその成長、発達、維持のために

毎日多くの食品を摂取していますが、この食品中には人の健康に悪影響を及ぼす物質が含まれていることがあります。人の健康に悪影響を及ぼす物質のうち、特に食品に対する汚染が問題になっているかび毒について注目しています。

「農場から食卓まで」のフードチェーンを通じて

大きなリスクである有害微生物から食品の安全性を確保することを目指しています。具体的には、食品から食中毒菌を「簡単な操作ですばやく高感度に」検出する技術の開発を進めています。最近では、加熱殺菌過程抜きの加工食品(生食野菜など)の需要が拡大しています。そこで品質を劣化させることなく、このような食品への食中毒菌の汚染リスクを低減するための非加熱殺菌技術の開発も同時に進めています。このような研究や技術開発は、民間企業や大学、都道府県あるいは国内外の研究所と連携して実施しています。

食品害虫を対象に

その防除技術の開発を進めています。貯蔵中の米につく害虫を中心に研究開発を行っています。世界中で最も使用されてきた燻蒸剤の臭化メチルがオゾン層を破壊するため、先進国では2005年に生産中止になりました。現在、臭化メチルに代わる害虫防除方法の開発が急務です。また、害虫問題がなく、安全性の高い、安心して食べられる食料を供給する技術の開発を今後の課題としています。

 

研究課題

  • 加工品製造工程等で生成する有害物質の制御技術の開発
  • 危害要因の簡易・迅速・高感度検出技術の開発
  • 流通・消費段階における情報活用技術及び品質保証技術の開発
  • 流通農産物・食品の有害生物の制御技術の開発

主な研究成果

 所属ユニット

放射線食品科学ユニット
化学ハザードユニット
食品衛生ユニット
食品害虫ユニット