遺伝資源センター

センター長

センター長

遺伝資源センターは、1965年に新設された農業技術研究所の遺伝資源種子保存庫を源流とし、1985年の農林水産省ジーンバンク事業実施要綱により本格的な活動が始まっています。現在では、植物、微生物、動物、DNAの遺伝資源の探索収集、評価、保存、配布等を行う農業生物資源ジーンバンク事業に発展しています。

ジーンバンク事業では、約26万点の遺伝資源を保有し、探索収集により年間2千点の遺伝資源を新たに登録、試験研究等を利用目的として年間1万2千点の遺伝資源を国内外に配布しています。この事業を支える農研機構内外のサブバンクによる遺伝資源の増殖・評価システム、世界的にも高効率な遺伝資源の配布・維持システム、植物・微生物・動物・DNAの多岐に渡る遺伝資源情報のデータベース化・Web情報提供システム、近年の遺伝資源に対する国や国際機関の規制への対応力を有しています。

遺伝資源センターではジーンバンク事業に加えて、遺伝資源の高度化とその利用に関する研究を行うことで、研究所としての活力の維持を図っています。新しいフェーズが始まったPGRAsiaでは、アクセスが困難になった海外遺伝資源をアジアの関係国との良好な協力のもとで探索・評価・導入し、需要の高い民間への提供を図ることを目的としています。動物や一部の作物で事業化している超低温保存技術を、現状ではほぼ圃場での継代に頼っている栄養繁殖作物等に拡大することも目指しています。

これまで農研機構で育成したイネの多収品種のほぼ全てで海外遺伝資源が使われており、農研機構では、様々な作物の生産性の向上を目指した新しい品種の開発、高品質化や地球温暖化に対応した品種、病害抵抗性品種の開発を今後も進める必要があります。作物の育種方法が変化し高度化して行っても、その基盤として多様な特性を備えた遺伝資源の重要性が低下することはないと考えています。

農業遺伝資源を遠い将来に渡って保っていくため、現在も協力関係にある農研機構や国内の公設研究機関、大学、民間との協力関係を維持・発展させていく所存です。国際的な状況を見ると、遺伝資源に対する権利意識の高まりや、植物や動物に対する防疫関連の規制強化により、海外からの遺伝資源の導入は困難になりつつあり、国際的な保存の役割分担という考えに頼らない日本独自の価値の高い遺伝資源を保有する必要性は、以前より高まっています。このような現状はあるものの、アジアの国々や欧米、国際研究機関との関係を大切にして、日本の遺伝資源の充実と国際的な貢献を果たしていく所存です。

遺伝資源センター長
加藤 浩


法人番号 7050005005207