動物衛生研究部門

細菌・寄生虫研究領域

セイヨウミツバチ幼虫の中腸内で増殖するヨーロッパ腐蛆病菌(Melissococcus plutonius)の 電子顕微鏡写真及び免疫組織化学解析像(右下)

細菌・寄生虫による家畜の感染症は、畜産環境中及び家畜体内における病原体の動態が複雑であり、効果的な疾病防除のためには、それぞれの病原体の特性に基づく検出・診断法と疾病制御技術の確立が必須です。また、家畜が保菌する大腸菌、カンピロバクター、サルモネラは時に家畜の損耗要因となるだけでなく、食肉や鶏卵といった畜産物等を介して人に食中毒を起こす人獣共通感染症の原因菌として重要であり、食の安全性を確保するためにも、家畜におけるこれら病原体の保菌状況や分離菌の薬剤感受性をモニタリングし、的確な行政対応につなげる必要があります。

そこで、当研究領域では、病原体のゲノム解析等による特性解析を行い、 新しい診断技術の開発を行っています。また、発病機構の解明、宿主免疫応答の研究を行うとともに、ワクチン候補分子についての解析や遺伝子改変弱毒株の作出等を実施し、より安全で効果的なワクチン技術の開発を目指しています。さらに、農場等の生産現場において、病原体の侵入防止や感染環を遮断する方法を開発することにより感染症の発生リスクを低下させ、生産性向上に貢献するための研究も行っています。食中毒の原因菌である、腸管病原菌については、それらの新しい検出法や遺伝子型別法を開発し、野外分離株の遺伝子型や薬剤感受性のモニタリングを行うとともに、腸管病原菌の定着性や病原性に関与する因子を特定、解析し、さらには、腸管定着性に関与する因子の阻害剤を見出す研究も行う予定です。

さらに、研究領域における各研究ユニットでは、野外で発生する細菌・寄生虫性疾病の病性鑑定のための技術や資材の確保と継承を進めていきます。


領域長

秋庭 正人(あきば まさと)

所属研究ユニット

法人番号 7050005005207