動物衛生研究部門

日タイ動物衛生研究交流会議に思う

(独)農業・食品産業技術総合研究機構
動物衛生研究所長 津田 知幸

平成27年7月15、16日に農研機構動物衛生研究所(動衛研)つくば本所において第4回日タイ動物衛生研究交流会議(The 4th Thailand-Japan Joint Conference on Animal Health2015)が開催されました。この会議は平成24年に動衛研とタイ農業協同組合省畜産振興局(DLD)との間で締結されたMOU(研究交流協定)に基づくもので、今回の開催が第4回になります。会議の開催地はタイと日本の両国で交互に行うことになっており、昨年がタイでの開催であったことから、今年は日本での開催となりました。

会議にはDLD傘下のNational Institute of Animal Health(タイ国立家畜衛生研究所)のPreecha所長、前東南アジア地域口蹄疫レファレンスラボラトリー所長で現在DLDコンサルタントのWilai博士、NIAHの研究者のほかタイ各地の地域センター(Veterinary Research and Development Center)の研究者ら総勢14名が来日し、口頭およびポスター発表を行いました。まずは基調講演として、「口蹄疫」、「豚インフルエンザ」、「豚流行性下痢(PED)」の3題が両国で関心の深い病気として取り上げられました。次いで日本側から「口蹄疫」、「鳥インフルエンザ」、「サルモネラ」、「カンピロバクター」、「豚繁殖・呼吸障害症候群」などが、タイ側からは「口蹄疫」、「鳥インフルエンザ」、「ワニの抗酸菌症」、「Q熱」、「豚コレラ」などが発表され、それぞれの国の家畜衛生事情を反映した議論のやり取りが行われました。両国ともに発表者のほとんどが若手研究者で、この会義の趣旨の一つである若手の交流にご配慮いただいたPreecha所長に感謝したいと思います。

日本ではすでに撲滅されたもののタイでは今なお問題となっている病気や、両国で協力して取り組むべき病気など、これから協力して研究に取り組むべき課題についての討議も行われ、これからの具体的研究協力に発展していくことが期待されます。会議終了後の懇親会では、両国の参加者による「頭を使った」出し物も披露され、研究だけでない交流も深まったと思います。日タイの研究交流はJICAの技術協力を端緒としていますが、当時のJICA技術協力のスローガンが「人づくり、国づくり、心の触れ合い」だったことを思い起こすと、この会議はその理念を具現していると言えるのかもしれません。これからも両国の交流がさらに深まることを願ってやみません。次回の会議は、2017年にタイで開催されます。

第4回日タイ動物衛生研究交流会議

平成27年7月