動物衛生研究部門

部門長室から

部門長写真
筒井 俊之
(つつい としゆき)

就任のご挨拶

平成31年4月1日付で農研機構動物衛生研究部門の部門長を拝命しました筒井俊之です。関係者の皆様には日頃から動物衛生研究業務にご協力いただき、厚く御礼申し上げます。

農研機構動物衛生研究部門は、動物衛生分野の研究開発を通じて、健全な畜産の維持発展、安全な畜産物の流通に貢献することを目指しています。当部門は大正時代に獣疫調査所として設置されて以来、国内唯一の動物疾病の専門研究機関として、野外で問題となる疾病の制圧に取り組んできました。今後も、都道府県、生産者、大学、民間などの関係者と連携しながら、野外における疾病発生状況やニーズの把握、それらの情報を基にした診断法の改良・開発、ワクチンなどの予防法の研究開発を進めていきます。また、近年のバイオテクノロジーや情報科学技術の目覚ましい進歩に対応して、それらの先端技術をいち早く取入れ、迅速な研究成果の創出に努めていきます。

一方、動物疾病対策の基盤を支えることも我々の重要な使命と考えています。動物疾病の確定検査や病性鑑定、生物学的製剤の製造、都道府県の担当者をはじめとする多くの研修・講習生の受け入れなどについても今後継続していきます。さらに、国際獣疫事務局(OIE)から認定を受けたコラボレーティングセンターやレファレンスラボラトリーとしての活動、海外研究機関との国際共同研究、開発途上国への技術協力など国際活動も進めていきます。

国内では26年ぶりに豚コレラが発生し、また、アジア諸国では口蹄疫、アフリカ豚コレラ、鳥インフルエンザなど重要家畜伝染病の発生が継続するなど、国内外の疾病発生は予断を許さない状況になっています。また、畜産物の国際貿易が活発化する中、足腰の強い畜産を実現するために、疾病を原因とする損耗を防止する生産現場での効果的な対策が求められています。このような状況の中、関係者の皆様が期待できる、また、期待に応えられる研究部門となるよう努めていきますので、今後ともご支援とご協力の程よろしくお願いいたします。

平成31年4月
農研機構動物衛生研究部門
部門長 筒井俊之