動物衛生研究所

概要

生命あるものを衛る

動物はヒトと深い関係を保ち、私たちの生活の中で大きな役割を持っています。
牛乳、肉類、卵などの畜産物は、私たちが健康で丈夫な体をつくるのに必要な動物性蛋白質です。
安全で良質な畜産物は、健康な家畜から生産されています。
一方では、動物は生物科学技術の進展のために寄与し、人々の心を潤し、優しくする人間の絆にもなっています。
これらの動物はさまざまな病気にかかりますので、まずかれらの健康を衛ることが大切です。
動物衛生研究所は「生命あるものを衛る」研究所として、動物の健康を衛るために、動物の病気について基礎研究から診断・治療および予防にいたる研究・開発を行っています。

ウイルス感染症

動物ウイルス感染症の発生防止やまん延防止には、ウイルスの感染を早期に知るためのウイルス検出法、ワクチンおよび飼養管理手法の開発ならびに発病機構の解析が必要です。そのための様々な基礎的、応用的な研究を行っています。

細菌・寄生虫感染症

動物の病原細菌や寄生虫の病原体としての特性とこれらの病原体による感染・発病メカニズムを明らかにすると共に、ヨーネ病等の重要な感染症の診断法や防除法の開発を目指して研究を行っています。

国際重要伝染病

国内の畜産経営に壊滅的な被害を及ぼす、口蹄疫をはじめとする国際重要伝染病の診断技術、病原体性状解明および蔓延防止に関する研究を行っています。

インフルエンザ

高病原性鳥インフルエンザや豚インフルエンザの原因である動物由来インフルエンザウイルスの遺伝子解析や、ウイルスに対する感染宿主応答の研究を通して、病原性の解明や診断・防疫技術の開発を目指しています。

プリオン病

牛海綿状脳症(BSE)やスクレイピーなどの動物プリオン病の撲滅に向けて、その発病機構、動物体内で蛋白質性病原体「プリオン」が増えるメカニズムの解明のほか、診断法の開発改良や不活化技術開発まで、基礎から応用にわたる研究に取り組んでいます。

病態監視技術

生産病、感染症の病態を生理・生化学的、分子生物学的に解明し、これに基づいて、ストレスや病原体に対する感受性の評価法、健康状態のモニタリング技術、新たな防除法などの開発に関する研究を行っています。

先端的疾病防除技術

低コスト・低労働型畜産に対応するため、先端技術を積極的に取り入れたサブユニット多価ワクチン、遺伝子欠損ワクチン、ベクターワクチン等の新しい感染症防除技術の開発、また、そのための基礎的研究を行っています。

飼料等安全性確保技術

畜産物を介して食中毒の原因となる細菌、人や家畜に毒性を有するかび毒や環境汚染物質などについて、検出手法の開発や病原性、毒性の評価など、飼料、家畜、畜産物の安全性に関する研究を行っています。

農場衛生管理システム

動物衛生研究所を含む農研機構内4研究所の鳥獣害、家畜衛生、畜舎環境、畜産施設の専門家が集結し、農場に病気を持ち込ませず、感染を広げない新たな家畜飼育管理システムの構築を目指して研究を行っています。

動物疾病疫学

疫学的手法を用いて、動物の重要疾病の発生状況、伝播の様相、被害の実態を分析し、その要因を明らかにすることによって、有効な防疫対策や予防対策を確立する研究を行っています。

大規模酪農衛生研究

大規模酪農現場において、生産性阻害要因として問題となる乳房炎等の泌乳障害、下痢・肺炎等の疾病について、それらの発病機構を明らかにするとともに、疾病の診断技術の高度化と効果的な予防策の策定を目指した研究を行っています。

暖地疾病防除

暖地・亜熱帯地域の畜産における最大の生産阻害要因である節足動物媒介ウイルスによる疾病や、大型施設環境に常在する感染症の診断・監視および防除技術の高度化に関する研究を行っています。

生物学的製剤の製造

日本の家畜・家禽を伝染病から守るために必要不可欠な、診断薬やワクチン等の製造を行い、おもに家畜防疫や動物検疫を実施する機関に供給しています。

海外協力・研修

国内各方面からの要請に応えて、動物衛生に関する各種講習会・研修会等を行っています。また、外国からの研修生、研究生の受け入れや海外技術協力も積極的に行っています。

病性鑑定

国内の動物衛生の向上を図るため、各機関からの要請に応じ、診断が困難な疾病、特殊な疾病、未知の疾病、および国際重要伝染病を疑う疾病について、高度な技術を駆使して診断を行っています。