生物機能利用研究部門

生物機能利用研究部門は、生物資源の農業及び関連産業上の開発及び利用に関する技術についての試験及び研究、調査、分析、鑑定及び講習に関する業務を行っています。

新産業開拓研究領域

遺伝子組換え技術を用いた新産業の創出につながる研究開発

遺伝子組換え作物・カイコを用いた有用物質生産系の性能向上と実用化のための技術開発を行い、離島や中山間モデル地域でこれらを生産できるように遺伝子組換えカイコ等の管理技術を整備します。新特性シルク素材や生体物質由来の新機能性素材の作出と実用化のための加工技術を開発し、臨床研究や現地実証試験を民間事業者を含む関係機関と連携して進め、速やかな産業化を目指します。

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遺伝子組換え作物・カイコよる有用物質生産の例;(上)スギ花粉米、 (下)蛍光タンパク質、検査用試薬や化粧品添加成分をカイコで発現

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遺伝子組換えカイコによる新しい特性をもつシルクの開発やスズメバチ・ ブタなど、生物の有用物質や特異機能を利用した新素材開発

遺伝子利用基盤研究領域

遺伝子組換え技術やゲノム編集技術などの先端技術の高度化・高精度化を進めると共に、これらを農作物や昆虫の改良に適用し、その潜在能力を最大限に引き出すことにより、生産性向上や有用形質付与を目指す基盤技術の開発に取り組んでいます。

生物のゲノムに外来遺伝子を導入する遺伝子組換え技術や、本来のゲノム配列に、目的の変異を自在に導入できるゲノム編集技術は農作物や昆虫を改良するための重要な技術であり、当領域で開発に取り組んでいます。

これらの技術を活用して、WRKY45遺伝子を導入した複合病害抵抗性イネ(図左上の赤丸、黄丸は普通のイネ)や、ゲノム編集技術による、使いやすいハチの作出(図右上)、農業上望ましい特性を付与したイネ(図下左右、正確な変異を導入し、除草剤耐性のイネを計画的に作成することに成功)等、多くの目標に向けた開発に取り組んでいます。

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植物・微生物機能利用研究領域

成長や耐病性等に関わる植物遺伝子や微生物あるいは植物の病原性や作物生育促進に関わる遺伝子の働きを解明し、農作物の生育促進や病害虫防除を目指した新技術の開発に役立てる研究を行っています。

広範な病害に対する抵抗性遺伝子の発見

イネより単離した広範な病害に対する抵抗性遺伝子BSR1を高発現させたイネは、いもち病や白葉枯病及び籾枯細菌病などにかかりにくく、抵抗性を示しました。

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栄養素の吸収・蓄積を促進させるイネ遺伝子の発見

肥料が少ない条件下で、栄養素の吸収と蓄積を促進させるイネの遺伝子RDD1を発見しました。栄養素の吸収と蓄積を促進させるメカニズムを解明すれば、イネの増産技術の開発や多収量イネの育種に応用が期待されます。

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昆虫制御研究領域

農業害虫遺伝子の機能や害虫の生物間相互作用の解明に基づいて、環境負荷を少なくした害虫制御に使える基盤技術を開発し、農業被害の軽減に貢献します。

新規の害虫制御剤候補化合物の選抜法を開発します。

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トビイロウンカに強いイネが持つ害虫抵抗性遺伝子の構造と機能を明らかにし、活用します。

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動物機能利用研究領域

遺伝子組換えや新しい生殖技術を駆使して、医療研究用モデルブタ等を作出・評価するとともに、動物遺伝資源の新たな保存・利用技術を開発します。また、家畜に抗病性を付与するための基盤技術を開発します。さらにゲノム編集技術の開発にも取り組んでいます。

医療研究用の遺伝子組換えブタの開発

家畜の新規利用分野を開拓するため、ヒト疾患の治療技術開発や創薬に役立つ、「再生医療研究用モデルブタ」、「高コレステロール血症モデルブタ」などを作出しています。

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新しい家畜増殖システムの確立

胎子または新生子の精巣から次世代を得る新しい増殖システムを応用して、組換えモデルブタあるいは希少な在来ブタの遺伝情報の保存と次世代の生産を進めます。

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法人番号 7050005005207