次世代作物開発研究センター

所長挨拶

国内では、農業の後継者不足、農業経営の法人化、気候変動による作物生産環境の変化、消費者ニーズの多様化など、これまで以上に、農業のあり方は大きな変革の時期を迎えております。一方、国際的には、環境変動による食料生産環境の激変や経済活動の結果による耕地の減少のなか、2050年には約90億にふくらむ世界人口を支える食料確保が、国際社会の中での日本の役割として、これから私たちが取り組む最大の課題となっています。

このような農業を巡る状況のなか、わが国の農業・食料の中核研究機関である農研機構の内部組織の一つである「次世代作物開発研究センター」は、日本農業の将来を支える品種開発とその基盤技術の確立を担います。

作物生産における品種の重要性は言うまでありません。生産しやすい品種、消費者に好まれる品種、加工に適した品種、食品としての機能性を付与した品種など、品種そのものの優位性で、地域の農業生産や収益の安定化を実現することができます。農研機構はこれまで多くの品種を育成し、それらの普及も拡大しています。一方、近年のゲノム解読の進展にともない、遺伝子情報(DNAマーカー)を利用した品種改良技術が飛躍的に進展しました。次世代作物開発研究センターは、イネ、麦類、大豆等を中心に、遺伝子情報を活用した先進的な品種改良の技術や育種素材のさらなる開発を進めるとともに、それらの技術や素材を活用した先導的品種の育成に取り組みます。

また、急速に変化する社会情勢や消費者ニーズに対応するためには、所内の研究勢力や資源だけでなく、公設研究機関、民間研究機関・大学などの外部機関との連携を深めて、目標実現に取り組みたいと思っております。連携支援業務を円滑に進めるためにゲノム育種推進室を設置するとともに、農研機構内外の育種事業のニーズと基盤技術の連携調整役として、ゲノム育種研究統括監を配置し、わが国の作物育種の高度化と推進に取り組みます。

国際的および国内の農業を巡る情勢は流動性を増しています。そのなかで作物開発への依存度はさらに増すと考えられます。次世代作物開発研究センターは、生産者にも実需者にも消費者にもメリットをもたらし、日本農業を強くする作物の新品種育成の中核研究機関になるべく、職員一丸となり研究に取り組んでまいる所存です。今後とも、皆様方のご支援とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

平成28年4月1日
次世代作物開発研究センター
所長 矢野昌裕


法人番号 7050005005207