作物研究所

大豆品種開発・利用プロジェクト

様々な大豆品種を育成

top001栄養いっぱいの大豆の品種にも人と同じように個性があります。例えば、タンパク質が高い品種の方がしっかり堅い豆腐が作れます。柔らかく煮えそのまま食べても美味しい品種が納豆つくりに向いています。そんな大豆の個性を引き出し伸ばしてやることが私たちの仕事です。 ※品種: 大豆にもいろいろな種類があり、それらを区別するために名前を付けます。例えば、フクユタカ、リュウホウ、サチユタカなど。

品種色々

品種

豆腐は加工過程で固まりやすさが求められます。固まりやすさには、タンパク質含量が重要で、豆腐用にはタンパク質含量が高い品種が求められます。2001年に品種化された品種「サチユタカ」はタンパク質含量が高く、豆腐用として栽培されています。

豆乳の青臭味やえぐ味成分が解明され、それらを除去した品種でより飲みやすい豆乳が作られています。 2005年に品種化された品種「きぬさやか」は、青臭味やえぐ味成分を欠失しているため、飲みやすい豆乳の材料として注目されています。

大豆は品種によって圃場での形態が全く異なります。特に花が咲く時期(開花期)は地域適応性に非常に重要な特性で、開花期がその品種を栽培できる地域を左右していると言っても過言ではありません。

品種開発の流れ

大豆生産者、加工業者、消費者のニーズは様々で、時代、生産地、使用目的によって変動します。大豆品種開発・利用プロジェクトでは、社会の様々なニーズに応じた品種開発を目指しています。

開発

いろいろな大豆遺伝資源が育種研究の源

大豆品種開発・利用プロジェクトの使命

DNAマーカーを用いた基幹品種のピンポイント改良

使命1DNAマーカー選抜技術を利用して、様々な形質(病害虫抵抗性など)に関して主要品種のピンポイント改良を進めていきます。トピックで紹介しているフクミノリの育成、難裂莢性の主要品種への導入は、その先駆けとなる成果です。

安定多収品種の開発

使命2大豆は気象条件により収量が大きく変動します。また、日本の大豆品種は海外品種と比較すると収量が低く、日本品種の収量増加が求められています。当プロジェクトでは、海外品種など幅広い遺伝資源に注目して、安定多収品種の開発に挑戦しています。

煮豆や豆腐の固さを制御する因子の解明

使命3

豆腐の固さに関しては、タンパク質含量の他に関与する因子の存在が示唆され、それらの解明を進めています。さらに、煮豆の固さに関しては、豆腐の固さより未解明な部分が多く、今後は煮豆の固さを制御する因子の解明を進めます。

大豆の新規用途品種・素材の開発

大豆はタンパク質含量が高いだけでなく、健康に良いとされる機能性成分をたくさん含んでいます。その栄養性を食品に活かさない手はありません。そこで、昔から日本で親しまれてきた煮豆や納豆、味噌、豆腐などの大豆加工食品のほかに、新たに需要拡大可能となる新規用途に関する育種素材を開発していきます。

使命4

トピック研究成果

近年では、DNAマーカー選抜技術の向上により、複数の有用形質に関して実験室レベルで評価が可能となり、迅速に品種開発が進むことが期待されています。

ハスモンヨトウ抵抗性をもつフクミノリの育成

ハスモンヨトウは、大豆の重要病害虫で、特に温暖な西日本においては、食害による収量減少が深刻な問題となっています。農研機構では、ヒメシラズ由来のハスモンヨトウ抵抗性を検出するDNAマーカーを開発し、これを利用してハスモンヨトウ抵抗性をフクユタカに導入した品種「フクミノリ」を育成しました。DNAマーカー選抜により品種化された品種は日本初となります。

使命5

大豆の莢をはじけにくくして収穫ロスを減らす

日本の大豆品種は登熟後に莢がはじけやすいため、コンバイン収穫による収穫ロスが問題となっています。また、麦や水稲の作業と競合することで生じる刈遅れにより圃場で自然裂莢することが、収量減少の一因となっています。農研機構では、DNAマーカーを利用することにより、品種ハヤヒカリ由来の莢がはじけにくい性質(難裂莢性)を日本の主要な11品種に導入し、その特性が圃場において発揮されることを確認しました。難裂莢性を導入した系統群は、裂莢性以外の特性は戻し親の品種とそっくりであるため、今後の大豆育種において広く活用できると考えられます。

使命6使命7