作物研究所

資源作物品種開発・利用プロジェクト

高付加価値を有する資源作物品種の育成と新規作物の評価・利用

   農産物の国産ブランド化や高度利用による6次産業化を推進し、地域基幹作物の収益性を高めるため、加工適性等を改善した高品質な品種の育成に取り組んでいます。
   本プロジェクトでは地域特産性の高い資源作物を対象とし、

  • ソバでは、機械収穫適性の高い多収で高品質なソバ品種や、春まきソバなどの新たな作型に対応した品種の開発
  • ナタネでは暖地水田などの高度利用が可能で無エルシン酸やダブルローなど成分特性に優れたナタネ品種の開発
  • 6次産業化を推進できる雑穀、雑豆等の新規作物を導入・評価

について作物研究所は、北海道農業研究センター、東北農業研究センター、九州沖縄農業研究センターとともに実施しています。


   作物研究所は、

  • 高リグナン含量で粒の外観形質および農業特性に優れたゴマ品種の育成を行い、有望な金ゴマ系統「関東17号」を品種登録に向けて評価中です。
  • 雑豆の中で食品機能性と農地利用性の向上が期待できるインゲンマメの遺伝資源評価を行っています。

   また、作物研究所は、地域特産作物の生産・流通の場面が抱える問題点とニーズについて検討するとともに特産作物の研究者ネットワークを形成するために、年一回の特産作物研究会を関東近郊の現地で開催しています。近年の開催については以下の通りです。2013年:レンコン・干しイモ(茨城県小美玉市)、2012年:椿油(東京都大島町)、2011年:落花生(千葉県八街市)、2010年:ゴマ(長野県駒ヶ根市)、2009年キノア・雑穀(山梨県北杜市)、2008年:ベニバナインゲン(茨城県大子町)

畑作物研究領域
上席研究員 大潟直樹(Naoki OGATA)
主任研究員 加藤晶子(Masako KATO)

 

高リグナン含有量なゴマ3品種
高リグナン含有量なゴマ3品種 (左から「ごまぞう」、「まるえもん」、「まるひめ」)

「まるえもん」と「まるひめ」のリグナン含量
「まるえもん」と「まるひめ」のリグナン含量

「まるえもん」と「まるひめ」の商品化(焙煎ごま油)
「まるえもん」と「まるひめ」の商品化(焙煎ごま油)

インゲンマメの特性評価(粒大、光沢、色素・成分等を評価)
インゲンマメの特性評価(粒大、光沢、色素・成分等を評価)

 

有望形質の探索

  • 高リグナン含有ゴマ系統は、肝臓の脂肪酸代謝を活性化する
  • 低アミロースヒエ系統のデンプンは、粘りがあり冷めても硬くなりにくい

最近の主要論文等

  • 大潟・加藤(2014) ゴマの収量構成要素に関するダイアレル分析、日本作物学会紀事83(別2)
  • 大潟・加藤(2014) ゴマ遺伝資源における収量構成要素と種子重および千粒重との関係、日本作物学会83(別1)、64~65.
  • 大潟・沖(2013)黒種皮インゲンマメ遺伝資源における諸特性の評価、日本作物学会関東支部会報28、46~47.
  • 大潟・藤田(2013)アマランサス(Amaranthus)属作物における放射性セシウム濃度、日本作物学会紀事82(別1)、114~115.
  • 大潟ら(2013)高リグナン含有ゴマ品種「まるえもん」および「まるひめ」の育成、作物研究所研究報告14、57~75.
  • 大潟(2012)ゴマ遺伝資源における生育日数と低温発芽率の評価、日本作物学会関東支部会報27、42~43.
  • まるえもん・まるひめ-リグナン含量の多いゴマ新品種、大潟直樹、農業技術作物、vol.4、241~249、2012
  • 日本のゴマ栽培の現状と問題点、大潟直樹、セサミニュースレター、No.25、6~7、2011
  • アマランサスとキノアの品種開発、大潟直樹、特産種苗、No.8、5~6、2010
  • 高リグナン-国産ゴマ三兄妹、大潟直樹、現代農業、2、128~131、2010
  • 「ごまぞう」につづくセサミンが多いゴマ新品種「まるえもん」と「まるひめ」、大潟直樹、特産種苗、No.5、20~23、2009
  • アマランサスをご存じですか、大潟直樹、グリーンレポート、NO.472、P14~15、2008
  • Breeeding a High-Lignan Content Sesame Cultivar in the Prospect of Promoting Metabolic Functionality. Satoko Yasumoto and Masumi Katsuta, JARQ, 40(2), 123-129, 2006
  • Nondestructive Near-Infrared Reflectance Spectroscopy of Sesame (Sesamum indicum L.) Components by Single Seed Analysis. Tetsuo Satoh, A. A. Maw and Masumi katsuta, Plamt Prod. Sci., 9(2), 161-164, 2006
  • ゴマ(Sesamum indicum L.)の成熟に伴う種子中のセサミンとセサモリン含有量の変動と成分特性の評価. 安本知子, 杉浦誠, 小巻克巳, 勝田眞澄.日本作物学会紀事, 74(2), 165-171, 2005
  • 岩手県におけるアミロース含量が低い在来ヒエ系統の特性, 長谷川聡・勝田眞澄:岩手県農研センター研究報告, 5, 53-62, 2005
  • 高リグナン含有ごま品種「ごまぞう」における収穫時期とリグナン含有量の変動, 安本知子・勝田眞澄,日作東北支部報, 47, 77-78, 2004.
  • Nondestructive Near-Infrared Reflectance Spectroscopic Analyses of the Major Constituent of Sesame (Sesamum indicum L.) Whole Seeds with Different Coat Color. Sato, T. Aye Aye Maw & M.Katsuta, Plant Prod. Sci., 7(3), 363-366, 2004
  • アマランサス, ゴマ. 勝田眞澄,安本知子,世界の食物史大百科事典2(三輪 叡太郎監訳),ケンブリッジ, P3-11, 443-457, 2004.(翻訳)
  • ゴマの絵本,そだててあそぼう58,福田靖子,勝田眞澄,農山漁村文化協会,36頁,2004
  • ゴマリグナン含有の高い新品種「ごまぞう」,勝田眞澄,農林水産技術 研究ジャーナル,27(8),25-26, 2004
  • ソバ, 雑穀類, ゴマ,食品の生体調節に関する研究. 勝田眞澄,農林水産研究文献解題No.30, 212-215, 287-291, 2004.
  • NIR Reflectance Spectroscopic Analysis of the FA Composition in Sesame (Sesamum indicum L.) Seeds.Sato, T., Aye Aye Maw & M. Katsuta: Journal of American Oil Chemist's society, 80(12), 1157-1161,2003.
  • 高リグナン含有ゴマ品種「ごまぞう」の育成. 安本知子, 勝田眞澄, 杉浦誠, 奥山善直, 本田裕, 古明地通孝:作物研究所研究報告, 4, 45-58, 2001
  • 雑穀,勝田眞澄:新版食材図典,小学館,pp316-317,2003
  • ゴマ,農業技術体系,作物編第7巻(追録第24号),勝田眞澄, 農山漁村文化協会,1-17, 2002.
  • Effect of sesame seed rich in sesamin and sesamolin on fatty acid oxidation in rat liver. Shirato-Yasumoto, S., M. Katsuta, Y. Okuyama, Y, Takahashi & T. Ide,J. of Agri. Food Chem., 49(5), 2647-2651, 2001.
  • 機能性食品をターゲットにした資源作物における品種の開発, 勝田眞澄,農業技術, 56(12), 21-23, 2001.
  • 子実用アマランサス新品種「ニューアステカ」の育成, 勝田眞澄・古明地通孝・奥山善直・本田 裕・白戸知子・中谷 誠, 作物研究所研究報告 1:57-70, 2001
  • Evaluation of sesame and sesamolin content of Thai Germplasm. Katsuta-Seki, M., S. Yasumoto-Shirato and Wasana Wongyai, Proc. of the Second National Conference on Sesame, Sunflower, Castor and Safflower 31-33, 2001