果樹茶業研究部門

核果類育種ユニット

果肉まで赤いウメ品種「露茜(つゆあかね)」の結実状況

果実の中に硬い核を持つ核果類果樹であるモモ、ウメ、ニホンスモモ、アンズについて新品種の開発を行っています。食味がよく、栽培しやすい品種の育成を行っています。効率的に新品種を開発するための基礎的な研究も併せて行っています。
これまでにモモでは現在我が国で最も多く栽培されている「あかつき」および「ひめこなつ」、「つきあかり」など28品種、ウメでは「露茜」、「翠香」など6品種(ニホンスモモとウメの雑種3品種を含む)、ニホンスモモでは「ハニーローザ」、「ハニーハート」の2品種、アンズでは「おひさまコット」、「ニコニコット」の2品種を育成しています。
基礎的な研究では、葉・枝・果実の病斑や落葉を引き起こすモモの重要病害であるせん孔細菌病への抵抗性が強い品種を育種するため、品種の抵抗性の強さの評価を行っています。モモの枝にせん孔細菌病の菌液を接種し、接種部位に形成される病斑長を測定すると、抵抗性が弱い品種ほど大きな病斑ができるため、病斑長からその品種の抵抗性の強さを評価することができます。
また、モモなどの落葉果樹は一定の低温に遭遇しないと休眠が打破されず、開花・発芽しません。休眠を打破するために必要な低温の時間(低温要求量)は品種により長短があります。この時間が短いと冬の気候が温暖な地域でも栽培が可能となります。ブラジルやメキシコの低温要求量が少ない品種をわが国の品種と交雑することにより、低温要求量が少なく、果実品質が優れた品種の育成を目指しています。この交雑から得られた育成系統や主要品種について切り枝を用いて低温要求量を調査しています。


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