果樹茶業研究部門

カンキツ研究領域

カンキツ研究領域では、栽培性と市場競争力に優れるカンキツ新品種の育成やゲノム情報を活用した効率的な育種素材の開発を行っています。最近育成した品種には、みかんタイプで加工適性に優れた「あすき」やレモンの「璃の香(りのか)」があります。また、次代の育種目標として、輸入カンキツと差別化が可能な機能性成分(β-クリプトキサンチン)を高含有する品種の育成を掲げて、研究を実施しています。栽培技術においては、国産カンキツの市場競争力を強化するとともに少子高齢化に伴う人手不足にも対応するため、高付加価値果実を省力的かつ低コストに安定生産する技術の開発を目指しています。温州みかんではブランド化した高糖度果実を生産するため、樹冠下の地面を防水シートで被覆して雨水を遮断するシートマルチ栽培が普及していますが、隙間からマルチ下に雨水がしみ込んだり、根がマルチ被覆の外側まで伸びて十分な効果が得られないと問題となっていました。そこで、これらの問題点を改善するシールディング・マルチ栽培(NARO S.マルチ)を当領域で開発し、さらに普及性を高めるための研究に取り組んでいます。

領域長

塩谷 浩(しおたに ひろし)

所属研究グループ