果樹茶業研究部門

茶業研究領域

「水出し緑茶」は、苦渋味がほとんどなく、より一層うま味を感じるお茶で、免疫力活性化も期待できます。

日本の食卓に欠かせないお茶ですが、国内の茶産業は需要の飽和による茶価格の低迷や産地の高齢化等の問題点を抱えています。一方、海外では日本食ブームや健康志向の高まりから、緑茶の需要は拡大しています。このため、国内需要の拡大や海外輸出により、茶産業の維持拡大を図るための研究開発を総合的に行っています。
日本の茶葉生産の大部分を占める「やぶきた」は病気にかかりやすく、現在の生産量と品質を確保するためには農薬は必要な資材となっています。また高品質な茶葉を生産するため、窒素肥料を多く投入することによる問題も起こっています。少ない窒素肥料で栽培しても高品質な茶葉の収穫が期待でき、かつ病害虫に抵抗性を持つ品種の育成に取り組んでいます。また、近年では抹茶・粉末茶の需要が多く、これらの需要に対応した品種の開発にも取り組んでいます。
茶生産現場では、生産者の高齢化や地域営農集団による茶園管理に対応できる省力・軽労化技術を開発し、茶生産を維持・発展できる技術の開発が求められています。茶樹の育種・生理・生態、茶園作業技術、製茶技術の各専門研究者が連携し、省力的で労働負荷を軽減できる技術の開発を目標に取り組んでいます。
茶では長年、窒素肥料の多量施用が行われてきました。高品質の茶の生産を期待してのことですが、そのために茶園の土壌が荒廃し、環境負荷が増大しました。また現在の茶栽培においては、生産量と品質を確保するためには農薬は必要不可欠な資材となっています。しかし、農薬散布は農家にとっては重労働であり、また殺虫剤による天敵の減少や薬剤耐性を獲得した病原菌や害虫の発生など、新たな問題も起こっています。
これらの諸問題を解決し、環境保全型の茶生産技術を確立するための研究を行います。
お茶には、健康に役立つ未知の生理機能性がまだたくさんあると言われています。その機能性を私たちの食生活にうまく活かしていくことが大切です。併せて、お茶のおいしさ、品質に関係する成分や味、色を科学的に評価して、品質をわかりやすく表示するなど、正確な情報を発信していくことも大切です。
茶業では茶樹の栽培から製茶までの工程を生産者が一貫して行うことが必要で、生産者にも高い技術力が求められます。このため、茶業研究領域では、養成研修制度を通じて、最新の栽培技術、加工技術を習得させることにより、後継者育成にも取り組んでいます。


領域長

吉田 建実(よしだ たてみ)

所属研究ユニット

法人番号 7050005005207