畜産草地研究所

所長就任挨拶

2012年4月27日

畜産草地研究所所長 土肥 宏志

土肥所長写真4月1日付で所長を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。

第3期中期計画にもとづき研究を開始して1年が過ぎました。第3期中期計画の開始直前に、東京電力福島第1原発の事故により農産物の放射能汚染という深刻な問題が発生しました。放射能汚染については、畜産草地分野としても事故の発生から緊急対応を行うとともに、今年度からは、新たに変更された中期計画のもとさらなる技術開発の推進を図っているところです。わが国ではTPP協議に参加するかどうかが検討されているなか、国内農業の体質強化を図ることが喫緊の課題となっています。このように、畜産草地研究所を取り巻く状況は、第3期の中期計画の策定時には予想困難なほど大きい変動があり、今後とも状況の変化に的確かつ迅速に対応しながら、以下のような技術開発に取り組みます。

わが国の農業生産額における畜産の占める割合は高いものがありますが、残念ながら食料自給率の向上という観点からの貢献度は低く、自給飼料を活用した畜産物生産に寄与する技術開発は、第3期においても重要な研究の柱です。家畜の生産効率の向上をめざすための基盤的な研究である、家畜育種繁殖や栄養生理に関する研究分野は、新たな研究手法を取り入れるなど研究の深化を図るとともに、普及に移しうる技術開発を行います。農山漁村にお いて再生可能エネルギーの導入の促進が求められるなか、畜産環境分野では、家畜生産において発生するバイオマスやエネルギーを利用する技術開発を推進するとともに、地球温暖化等の気象変動に対処する技術開発も実施します。最近では、農山漁村の6次産業化の推進が農林水産施策の大きな柱の一つとなっており、 その推進に当たって優れた品質や機能性を有する畜産物が核となることから、これらの研究が重要となっています。原発事故対応のための研究開発では、飼料作物における放射性物質の移行制御技術や放射性物質に汚染された堆肥を安定的に減容化する技術を中心に行っていきます。これらの技術開発に当たっては、産学官連携や広報普及活動を常に念頭に置き、その推進を図っていきます。