畜産草地研究所

飼料作物育種研究グループ

飼料作物優良品種の育成で飼料自給率の向上を目指す

牛が食べる粗飼料には、生草の他、サイレージや乾草があります。これらの原料である飼料作物としてのトウモロコシや一年生・多年生牧草類について、我が国の気象条件に適した優良品種を育成することにより、自給飼料作物の作付面積の拡大と生産効率の向上に貢献し、我が国の飼料自給率の向上に是非役立ちたいと考えています。

飼料作物育種研究グループでは

長大型の飼料作物としてトウモロコシを、また、一年生および多年生の各牧草類について品種育成を行います。

このうち、トウモロコシでは、テオシントの持つ不定根形成能および通気組織形成能を導入した耐湿性F1品種や組合せ能力の高い親自殖系統を育成します。

また、一年生牧草であるイタリアンライグラスについては、DNAマーカーを用いた複数の冠さび病抵抗性遺伝子を持つ品種を育成するほか、反すう家畜に対する硝酸塩中毒の発生を回避するため、硝酸態窒素をより蓄積しにくい品種の育成、並びに斑点米の原因となるカメムシの発生を抑制するため、内生共生糸状菌(エンドファイト)を利用した害虫生育抑制化合物(N-フォルミルロリン)濃度の高い品種の育成を行います。

一方、多年生牧草類については、温暖地・暖地向けの越夏性と耐病性などに優れるオーチャードグラスの品種育成を重点に進めるほか、越夏性と消化性に優れるフェストロリウム、トールフェスクの品種を育成します。

さらに、将来にわたる育種素材開発の基礎となる遺伝資源については、国内外からの収集・保存・特性評価を継続して行い、コレクションの充実を図ります。

トピックス

オーチャードグラス新品種「まきばたろう」普及へ

平成19年度に農林認定品種となったオーチャードグラス優良育成品種「まきばたろう」が、府県の採草地、放牧地への普及に向け、23年度から種子の販売を開始することになりました。「まきばたろう」はその名が示すとおり、健やかに、元気に生育し、さび病、うどんこ病、雲形病などの各種病害抵抗性に極めて優れています。また、既存品種の「マキバミドリ」に比べ、東北から九州までの広い地域で平均8%多収となり、永続性にも優れています。

まきばたろう
オーチャードグラス新品種「まきばたろう」(旧系統名:「那系27号」)の草姿

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