畜産草地研究所

乳牛・肉用牛研究グループ

国産飼料をフル活用した乳・肉用牛の生産をめざして

日本では平成32年度における飼料自給率目標を38%と定めていますが、現状は25%(平成21年度)と目標にはほど遠い状態にあります。

乳牛・肉用牛研究グループでは

安全で安心な国産飼料利用率の向上を図るため、飼料用稲・麦などを最大限活用した「発酵TMR」の安定調製貯蔵技術や乳・肉用牛向け給与技術の開発や、その実用化・普及についての研究を進めています。また、近年、低下傾向にある牛の受胎率を向上させるため、「早期妊娠診断技術」や胚死滅時期の特定に利用できる「妊娠のモニタリング指標策定」に関する研究を進めています。

発行TMR
発酵TMR
※「発酵TMR」とは牛が必要とする栄養水準が均一に保たれた混合飼料をさらに発酵調製し、保存性と流通性を高めた飼料です。

乳牛への給与試験
乳牛への給与試験

新しい繁殖技術の開発
新しい繁殖技術の開発

研究グループの背景

-飼料自給率の向上に向けて-

飼料イネの収穫イメージ

エネルギーベースで7割以上が輸入飼料で占められている現状から一刻も早く脱却し、他国に頼らずとも良質な畜産物を安定生産できるよう、飼料自給率の向上を図らなければなりません。その一方で、大規模化や高齢化が進行している現在の畜産農家では、労働力不足が顕在化し、畜産農家で飼料生産量を増やすことは難しい状況です。そこで、自給飼料の生産・調製を請け負う「コントラクター」や、飼料の混合・供給を担う「TMRセンター」が増加しています。当グループでは、自給飼料を核としたコントラクターやTMRセンターの運営に必要な技術、特に発酵TMRの調製・貯蔵・給与技術の開発・普及を目指しています。

-牛の受胎率の向上に向けて-

牛では受胎率の低下が大きな問題となっており、その解決に向けて、繁殖技術の面、育種面からの取り組みが必要になっています。当グループでは、牛の低受胎の要因として母体環境に注目し、母体の環境と胚の生存性について検討を行っています。

胎齢40日の胎子および胎膜(正常妊娠) 胎齢40日の胎子および胎膜(早期胎芽死滅)
胎齢40日の胎子および胎膜(左:正常妊娠、右:早期胎芽死滅)

トピックス

発酵TMR・飼料用イネに関連した研修会、研究会を機械研究グループと共同で実施

  • 平成24年度革新的農業技術に関する研修として、以下の研修会を開催しました。
    • 飼料イネ・飼料米等の生産・給与技術(2012年7月4日~6日)
    • 自給飼料作物の生産・給与技術と未利用資源の飼料化技術(2012年8月20日~22日)
  • 平成24年度飼料イネの研究と普及に関する情報交換会を、全国農業改良普及支援協会との共催で開催しました(2012年12月3日~4日:発明会館ホール)。184名の関係者にご参加いただきました。
  • 平成24年度自給飼料活用型TMRセンターに関する情報交換会を、全酪連との共催で開催しました(2012年12月4~5日:発明会館ホール)。186名の関係者にご参加いただきました。

発酵TMR・飼料用イネの生産拡大をめざした出前研修会を実施

  • 平成24年度は、6県(岩手県、福島県、栃木県、千葉県、愛知県、三重県)で出前研修会を開催。のべ291名の関係者にご参加いただきました。

出前研修会の様子
出前研修会の様子(千葉県)

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