畜産草地研究所

栄養素代謝研究グループ

栄養素の配分を調節して健康な家畜で生産アップ!

家畜の体内に吸収された栄養素は、乳肉の生産に利用されるだけでなく、免疫などの生体防御反応のためにも必要とされ、その配分は飼料や環境条件に応じて、神経やホルモンなどで複雑に制御されています。この栄養素の流れをうまく調節すれば、家畜を健康に保ちながら、高い生産能力を発揮させることができます。

乳牛に摂取された栄養素の体内での配分の流れ

栄養素代謝研究グループでは

より多くの栄養素を無駄なく吸収して乳肉の生産に利用し、しかも病気などに対する抵抗力も十分備えた体内環境を保てるような家畜の飼養管理技術を開発するために、主に牛を対象とした研究を行っています。

搾乳牛の消化試験の様子 栄養試験に用いる仔牛達

自給飼料を有効に利用した飼養管理技術

日本国内の家畜生産は、これまで、低価格の輸入濃厚飼料を大量に利用することで、高生産・低価格をめざしてきましたが、この方法は、家畜排泄物による環境汚染や生産病の多発も招いてしまいました。その反省から、国内で生産された自給飼料を有効に利用して、自然環境にも家畜そのものに対しても負 荷の少ない家畜生産が求められるようになりました。

トウモロコシや大麦などの輸入穀物飼料の代わりとして、飼料用米などの国内で自給できる高エネルギー飼料の活用が期待されています。しかし、そのような飼料はこれまで国内ではあまり利用されてきていませんので、これらの自給飼料を有効に利用するためには、まず、これらの飼料から家畜に摂取された栄養素が、体内でどのように利用されるのかを詳しく調べ、それをコントロールすることによって、より多くの栄養素を効率的に乳肉の生産に配分するような飼養管理方法を開発することが必要です。また、同時に、家畜の免疫や内分泌系を制御することによって、高エネルギー飼料の利用が家畜に与える生理的な負荷を軽減する技術を開発することも重要です。

現在、「家畜の生産効率と健全性の安定的両立を可能とする飼養管理技術の開発」という課題の中で、これらの技術開発のための研究に取り組んでいます。

放牧場で乾草を食べる乳牛

トピックス

  • 樹木中のセルロースを分解して精製したセロビオースを用いた仔牛の飼養技術の研究を開始しました。セロビオースは、飼料消化率を改善する機能性オリゴ糖として注目されています。当グループでは、このセロビオースを哺乳期から離乳後までの期間に給与して、初期発育を向上させる技術の開発を目指しています。
    添加物の給与試験中の哺乳仔牛
  • 新しい自給穀物飼料として注目されている飼料用米について、畜産草地研究所を中心としたプロジェクト研究の中で、乳牛用飼料としての有効な利用方法を検討しています。
    飼料用米給与試験で試験飼料を食べる乳牛

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