畜産草地研究所

分子栄養研究グループ

セントラルドグマの解析結果を生産現場へ

分子生物学のセントラルドグマ:DNA(複製)→(転写)→RNA→(翻訳)→タンパク質のすべてのステップの解析を、分子栄養研究グループでは実施します。さらに、反すう家畜における効率的な乳・肉生産や温暖化ガス発生低減、豚肉や鶏肉の高品質化など、生産現場で役立つ技術の開発に成果を活かすよう研究を進めています。

分子栄養研究グループでは

分子栄養研究グループでは、分子生物学や生化学の手法を活用して2つの課題、「反すう家畜の第一胃内(ルーメン)に生息する微生物生態系の解 析と制御」、「ブタとニワトリにおける産肉特性に関わる要因の解析と制御」に取り組んでいます。以下、ルーメン内微生物とブタ・ニワトリの産肉特性に関して、順を追って研究概要をご紹介します。

ルーメン内微生物

牛などの反すう家畜のルーメン内には、多種多様な微生物が生息していて、互いに密接に関係しながらルーメン微生物生態系を形成しています。こ のルーメン微生物生態系は、植物繊維の分解や微生物態タンパク質の合成など、反すう家畜にとってなくてはならない役割を果たしています。しかし、ルーメン微生物の多くは培養ができないため、詳しい解析が進んでいません。そこで、培養法を改良するとともに、ルーメン内容物から抽出したDNAを解析してルーメン微生物生態系の働きを詳しく調べることで、ルーメン微生物生態系を構成する微生物群や代謝経路が明らかになり、効率的な乳・肉生産に向けた技術開発に役立つことが期待されます。

ブタ・ニワトリの産肉特性

消費者が食肉を購入する際の選定基準に「品質のよさ」があげられることが多く、高付加価値化を通して国産食肉の優位性を確保する技術開発が重 要となっています。この文脈から第2期(2006~2010年度)の研究に取り組み、アミノ酸栄養の制御で脂肪交雑が豊富な豚肉生産が可能なこと、アミノ 酸にはニワトリ骨格筋のタンパク質分解を司る遺伝子発現を抑制する機能があることを、わたしたちは明らかにしてきました。しかし、例えば、育成から出荷までのブタの飼養技術を対象としてきた従来のわたしたちのアプローチでは、新たな技術が生まれる可能性が低くなっています。育成期に達したブタでは産肉特性に関わる要因がすでに固定していることが多く、栄養で制御できる余地が少ないためです。そこで、ブタ・ニワトリの成長や代謝のメカニズムの可塑性がより高い、成長初期の栄養制御をテーマとして、今後5年間研究に取り組みます。

トピックス

第2期(2006~2010年度)の成果が、飼料用米を給与した豚肉(http://www.frieden.jp/yamatobuta/mylove.html(株式会社フリーデン))、規格外カンショを給与した豚肉(http://www.pref.chiba.lg.jp/chikusan/chibazapo-ku/daiyamondopo-ku.html(千葉県))として実用化されました。

研究グループのコンテンツ