畜産草地研究所

資源環境研究グループ

環境に調和した畜産業の発展を目指して!

畜産業は高品質な食料を供給する重要な役割を担っていますが、悪臭や水質汚濁などを防ぐために十分に環境に配慮した家畜の飼い方をする必要があります。また、必要に応じて悪影響を防ぐための施設や装置を設置することも必要です。これらの技術の研究開発に取り組んでいます。

資源環境研究グループでは

資源環境研究グループでは、環境に負担をかけない畜産業の発展のために、家畜の飼養や排せつ物の処理・資源化における環境負荷物質(臭気、地 球温暖化ガス、水質汚濁物質)の発生把握とその制御技術の確立、ならびに、生産と環境の調和を図るうえで必要となる評価手法の確立に向けた研究・開発を行っています。

畜産の現場からは家畜が排泄するふん尿や堆肥化過程から強い悪臭が発生し、周辺住民から苦情が出ることも少なくありません。そこで、畜産現場で増えつつある生物脱臭設備を更に効率的に稼働させるための手だてについて研究を進めています。

窒素を多く含む家畜ふん尿の処理過程からは、二酸化炭素(CO2)の約300倍という強力な温室効果をもつ一酸化二窒素(N2O)というガスが発生します。そこで、これらの温室効果ガスの発生量を少なくする家畜ふん尿処理技術について研究を進めています。

家畜の飼い方によっては、そのままでは河川に放流できず、しかも肥料としては利用しにくい汚水が発生しますが、このような汚水は浄化処理をし たうえで河川に流してやることが必要です。そこで、ますます厳しくなる環境規制に対応できるとともに、低コストで安定した性能を発揮できる汚水処理技術の研究開発を進めています。

畜産では上記のように環境対策が重要ですが、そのためにどのような技術を採用したら良いかについては、コスト面に加えて環境影響の面からも幅 広く評価し、総合的に判断することが今後重要となります。そこで、環境影響を幅広く評価することができるライフサイクルアセスメント(LCA)手法に注目し、その畜産業への適用手法の確立を目指した研究を行っています。

さらに、宮崎での口蹄疫流行の事態を受けて、環境技術分野からの防疫対策の技術的検討も平成22年度より開始しました。

トピックス

  • 「ライフサイクルアセスメントを用いた家畜生産システムの環境影響評価に関する研究」が、日本畜産学会奨励賞を受賞しました(2008年3月)。
  • 「窒素蓄積過程におけるアンモニア生物脱臭装置の窒素収支」と題する研究発表が、日本土壌肥料学会ポスター賞を受賞しました(2008年9月)。
  • 結晶化法による豚舎汚水中リン除去回収技術に関する研究が、リン肥料価格の高騰という社会的な背景のもと、NHK、民放のテレビ局や、各種新聞・ウエブサイト等で広く紹介されました(2008年6~12月)。当該技術につき、共同研究を行った佐賀県、神奈川県、沖縄県とともに2008年農林水産研究成果10大トピックス(農林水産省)第4位に選定され(2008年12月)、畜産技術協会賞を受賞しました(2009年6月)。また、NARO RESEARCH PRIZE 2009(農研機構)を受賞しました(2009年9月)。さらに、当該技術の試験研究を実施した「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」(農林水産省)の2009代表的成果の1つに選定されました(2009年11月)。
  • 一酸化二窒素ガスの発生を抑制できる豚ぷん堆肥化技術が、民放のテレビ局や新聞紙上などにて広く紹介されました(2009年9月~2010年2月)
  • 「非晶質ケイ酸カルシウム水和物(CSH)添加による畜舎汚水処理水からの色度及びリンの同時除去」と題する研究発表が、第47回環境工学研究フォーラム環境技術・プロジェクト賞(土木学会)を受賞しました(2010年11月)。
  • 「メタン脱窒・アナモックス反応による畜産廃水の窒素除去技術開発に関する研究」が、第9回日本農学進歩賞(財団法人農学会)を受賞しました(2010年11月)。
  • 「Evaluating environmental impacts of the japanese beef cow-calf system by the life cycle assessment method」と題する原著論文が、日本畜産学会優秀論文賞に選定されました(2011年3月)。

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