畜産草地研究所

環境工学研究グループ

飼養衛視環境の向上と家畜管理エネルギーネットワーク化

農場の防疫強化に資するため、家畜飼養管理における微生物濃度を低減化させる技術の開発を行っています。また、地球温暖化の抑制、生産におけるエネルギー自給率の向上を目指して、生産現場での再生可能エネルギーの回収とエネルギーネットワークの構築に取り組んでいます。

環境工学研究グループでは

環境工学研究グループでは、家畜が健全に飼養されるために農場内の微生物濃度をできるだけ低くし、疾病の発生リスクの低減や疾病の蔓延を予防するため異常家畜を早期に発見する技術開発に取り組んでいます。

一方、畜産経営は石油への依存度が高く、ひとたび石油価格が高騰すると燃料費はもちろん輸入に頼っている餌代も高騰し、経営を圧迫します。また、2011年の東日本大震災時では電力供給不足による生産停止が見られ、エネルギーに対する脆弱さを露呈しました。化石エネルギーを出来るだけ使用せず、再生可能エネルギーの回収と利用技術を発展させることが求められています。これは地球温暖化抑制にも繋がります。再生可能エネルギーの回収と利用では時間的なミスマッチングが多々生じるため、エネルギーの供給と需要をネットワーク化することで解決しようとしています。環境負荷、エクセルギー、エネルギー自給率、経済性を評価軸とした再生可能エネルギーネットワークの構築に取り組んでいます。

 

環境工学研究グループイメージ

 

トピックス

農場の防疫強化に資するため、農場内の微生物濃度を低減化する技術を開発しています。

・乳頭清拭装置における洗浄資材の検討

乳頭清拭装置における洗浄資材の検討の画像搾乳機取付け前に行なわれる乳頭清拭作業は、乳頭付着の乳汁・土壌/ふん由来の病原性細菌の搾乳機等を介した接触伝播を防止し、生産物の品質管理を確実に行なう上で、重要な作業であるが、搾乳作業の迅速性や均一性、簡略化が求められることから、十分な清浄度を得られない場合が多いのが現状です。電解酸性水等の除菌機能資材の利用効果の検討、新たな清拭作業方法の開発に取り組んでいます。

 

・異常家畜の早期発見をするために、豚の対表面温度や咳、くしゃみの音声、採食行動等の情報を非接触で取得し、評価する技術の開発を目指しています。

異常家畜の早期発見のための技術開発の画像

 

再生可能エネルギーネットワーク

・微生物燃料電池

家畜排せつ物の排水処理を行いながら電気エネルギーを回収する微生物燃料電池の開発に取り組んでいます。

微生物燃料電池の画像

 

・太陽光発電

太陽光発電の画像畜産業は比較的エネルギー消費量の大きな農業形態です。
省エネルギー化や再生可能エネルギーを利用した環境保全型畜産を推進するため、畜産農家の電気・軽油等エネルギー消費パターンを調査するとともに、太陽光発電等再生可能エネルギーのポテンシャル評価に取り組んでいます。

 

・生乳冷却時の廃熱回収技術

生乳が持つ熱を冷却するときに回収して温水を生成する技術です。回収方法には、バルククーラでの冷巣する方法とプレクーリング用のアイスビルダで氷を生成する方法があります。生成した約80°Cの高温水は機器の洗浄などに利用できます。

生乳冷却時の発熱回収技術の画像

 

・地中熱利用のヒートポンプを用いた搾乳牛のスポット冷房

地球温暖化に伴う暑熱負荷は酪農における乳量低下、受胎率低下の原因として大きな問題になっています。そこで地中熱を利用したヒートポンプを用いて低温、低湿度の空気を乳牛の体に直接供給するスポット冷房を開発しています。これによって乳量増加、受胎率の向上とともに防暑対策として消費電力量の低減を目指しています。

地中熱利用ヒートポンプの画像 スポット冷房の画像
左)地中熱利用ヒートポンプ、右)スポット冷房

 

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