農村工学研究部門

農村減災技術研究センター ―災害に強い農村づくりを目指して―

1.センターの概要

災害に強い農村づくりには、農村インフラにおける防災・減災機能の強化が必要です。そのため、農研機構では、既存施設を改修し、レベル2クラスの津波に対する農地等の津波減勢効果を分析する機能及びため池、ダム等の模型による水利施設の地震・豪雨時の挙動を解析する機能を強化した農村減災技術研究センターを整備しました。 農村減災技術研究センターは沿岸域減災研究棟と施設減災研究棟の2つの研究棟から構成されています。 

農村減災技術研究センターは沿岸域減災研究棟と施設減災研究棟の2つの研究棟から構成されています。

この研究センターで、現在の構造物対策の適用限界を超過するレベル2の津波や地震を想定した防災計画・減災計画を作成するために急務となっている、本レベルの津波の後背地での複雑な挙動の解析や地震動を想定した安全なため池等の設計手法の確立や、ため池や農地斜面などの豪雨を想定した減災技術の開発を目指します。

沿岸域減災研究棟 施設減災研究棟

2.成果の活用

農村減災技術研究センターを活用した研究成果は、対策が急がれる沿岸域の減災計画策定への活用、その際の防災計画担当者や地域住民等の防災意識向上と合意形成への貢献、ため池、ダム、パイプライン、水路トンネル、海岸堤防などの耐震・豪雨対策などの技術開発に繋がります。

 

 

沿岸域減災研究棟

1.目的

沿岸域減災研究棟は、津波などによる浸水被害の再現や農地などを活用した減災効果を検証する研究施設です。

観測や数値解析で得られた津波などによる水面変動を精密に再現できる他、波浪や潮汐流を複合させ、沿岸域で生じる災害時の状況を評価し、その成果は沿岸域の減災計画の策定に貢献します。

2.施設の概要

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農業地域におけるレベル2津波に対する防災・減災のために,農地・排水系施設を含んだ広域の津波減勢効果を把握するための平面津波実験施設です。

(1)平面水槽(15m×30m×1.3m)、(2)津波発生装置、(3)二次元造波装置、(4)潮汐発生装置、(5)計測・制御装置で構成され、平面水槽内に津波、波浪及び潮汐を同時に発生されることができます。平面水槽に沿岸海域と後背地域の地形模型を設置して実験を行い、海域と陸域の連続した水理現象を解明します。

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3.得られる研究成果

  • 津波襲来後の背後地の流動現象と被災機構の解明
  • 沿岸部農業地域へ浸水した津波を効果的に減勢するための農地、農道などの配置計画手法の開発
  • 津波浸水後の排水や除塩に有効な排水施設計画手法の開発

施設減災研究棟

1.目的

shisetugensaito1施設減災研究棟では、ため池、農業用ダム等の農業水利施設の降雨・地震時の挙動や浸透・耐震性の評価、対策工法の対策効果の検証などの研究・技術開発を目的としています。この成果は豪雨や巨大地震に対する施設の強靭化や耐久性向上に貢献します。

2.施設の概要

shisetugensaito2本研究棟の施設は、遠心力を小型の模型に作用させることによって、実物の構造物の挙動を再現する振動発生装置を備えた遠心力載荷実験装置です。

本装置では最大100Gの遠心力を作用させることができます。例えば、高さ30cmの小型模型に100Gの遠心力を作用させることにより、高さ30mの実際の施設の挙動を再現できます。また、地中深くにある構造物に発生する力の状態を再現できます。

さらに、最大75Gの遠心力を作用させた状態で、模型に振動を与える振動発生装置による動的実験が可能です。振動発生装置は、南海トラフ地震で想定されるような強震動の長い揺れを再現することが可能です。

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このほかにも、遠心力載荷中に実物換算値で最大100mm/hの降雨を再現できます。

 

 

3.得られる研究成果

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  • ため池,農業用ダム等の農業水利施設の地震時の挙動解明と対策法の開発
  • ため池、農地盛土・斜面の豪雨時の崩壊メカニズム解明と対策法の開発
  • 水路トンネル、パイプラインなどの地中構造物の破壊メカニズムの解明と対策法の開発
  • 数値解析と模型実験の融合による新たな設計手法の開発
  • 大規模構造物の各種対策工法の対策効果の検証

お問い合わせ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門
〒305-8609茨城県つくば市観音台2丁目1-6 TEL:029-838-7504(企画連携室) FAX:029-838-7609

法人番号 7050005005207