農村工学研究部門

農地利用ユニット

ユニット概要

担い手への農地集積・集約化や荒廃農地の発生防止・解消など、農地利用の最適化を強力に進めるため、農地中間管理機構と連携した農地整備事業の実施や農業委員会における農地利用最適化推進委員の新設など、様々な取組みが行われています。本ユニットでは、農地利用の最適化の推進に資するため、次のような研究に取り組んでいます。

  • (1) 小型UAV(ドローン)を活用した荒廃農地などの現況調査技術の開発
  • (2) GIS(地理情報システム)やリモートセンシングを活用した農地情報の整備・可視化技術の開発
  • (3) 農地情報などを用いた広域的な農地整備計画策定手法の開発
  • (4) 農地情報などを用いた効率的な農地利用調整手法の開発


Google Earthを用いた荒廃農地調査データの可視化


衛星画像解析と航空写真判読により把握した茨城県のハス田の分布


UAV空撮画像による棚田の三次元モデル(左)と勾配マップ(右)

スタッフ

福本 昌人

ユニット長
・農学博士

昭和61年に農林水産省に入り、北海道農業試験場、近畿中国四国農業研究センターおよび農村工学研究所において、これまでに土壌物理(地下潅漑試験、土壌水分観測、透水性・排水性評価)、水文・気象(熱収支観測、蒸発散量推定、中山間地の風況シミュレーション)、リモートセンシング(農地利用調査、航空写真画像判読、マイクロ波後方散乱解析)、GIS活用(荒廃農地調査、ため池・農地災害調査、農地分級)に関する研究を行ってきました。現在、Google Earthを用いた農地・水利施設情報の可視化・共有化など、誰でも手軽に使える無償あるいは安価なGISを用いた農地利用の最適化支援技術の開発に取り組んでいます。

矢挽 尚貴

上級研究員

平成元年に農林水産省に入省、行政職として農業農村整備に携わってきました。平成26年に研究所勤務となり、研究活動を開始しました。近年は、農家数の減少により、農家の規模拡大や営農の組織化の動きが見られます。このような状況の中で、農地の利用が変化することが予想されます。集団的土地利用や大規模経営を前提とした土地利用計画や農業基盤整備計画を研究しています。

芦田 敏文

主任研究員
・農学博士

専門は農業経済学・農業経営学で、大学院所属時は主に北海道水田地帯を対象とした農業経営研究に取り組んできました。平成14年に農業工学研究所に入所して以降は、末端農業用用排水路の維持管理、他出子弟の出身地域への関与、耕作放棄地の再生等をテーマとした研究に取り組んできました。現在は、農地の有効活用に資するため、地域住民が主体的に行う取組に対する支援技術や、農地利用調整等をテーマとした研究に取り組んでいます。

栗田 英治

主任研究員
・環境学博士

平成14年に農業工学研究所に採用、農研機構農村工学研究所、農研機構本部等を経て現職。人と土地の関係をデザインするランドスケープ(景観計画)が専門。これまでに、地域資源の保全・管理に向けた農村ランドスケープ解析に関する研究、棚田景観の評価構造の解明と保全方策の検討に関する研究等を行ってきました。現在は、地理情報システム(GIS)や航空写真・小型UAV(ドローン)を用いた空撮画像の解析等を用いて、耕作放棄等の問題が深刻化する農地等の保全・管理・計画に関わる研究・開発に取り組んでいます。


(注)以下の<成果情報>には、本ユニットのスタッフが本ユニットの前身である資源情報担当と地域計画担当において中期計画第3期(平成23~27年度)に発信した成果情報も掲載しています。
また、<研究論文等>には、スタッフのこれまでの研究業績を掲載しています。

 

成果情報

1)

ALOS衛星AVNIR-2データと水田区画データを用いた水稲作付け判別手法、平成23年度、研究成果情報(福本)

2)

中山間地域におけるオオムギ生産による耕作放棄地の発生抑制・再生条件、平成23年度、研究成果情報(芦田)

3)

高解像度衛星データを用いた水田の土地被覆の判別手法、平成24年度、研究成果情報(福本)

4)

円筒を用いた転換畑の排水性の評価手法、平成24年度、研究成果情報(福本)

5)

そば・麦の導入による耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順、平成25年度、研究成果情報(芦田)

6)

衛星データと水田区画データを用いた荒廃農地調査の踏査対象田の選別手法、平成26年度、研究成果情報(福本)

7)

多様な主体による傾斜地水田の保全・管理のための農地類型化手法、平成27年度、研究成果情報(栗田)

8)

Google Earthを用いた荒廃農地の効果的な可視化、平成27年度、主要普及成果情報(福本)


研究論文等(福本)

1)

福本昌人・深山一弥・小川茂男・冨田和正(1991):粘土質転換畑における地下潅漑技術、水と土、86、pp.30-39

2)

福本昌人・深山一弥・小川茂男(1992):粘土質転換畑における地下潅漑の適用性、土壌の物理性、64、pp.11-20

3)

福本昌人・廬玉邦(1992):最大繁茂期の大豆圃場におけるペンマン法の適用性、北海道の農業気象、44、pp.12-18

4)

福本昌人・広田知良(1994):表層土壌水分が裸地面熱収支に与える影響、水文・水資源学会誌、7、pp.393-401

5)

福本昌人・田中米(1995):土壌構造が誘電率特性およびマイクロ波の後方散乱特性に与える影響、水文・水資源学会誌、8、pp.462-470

6)

福本昌人(1995):各種の裸地土壌における表層土壌水分量と地表面温度、蒸発量の関係、北海道の農業気象、47、pp.8-17

7)

福本昌人・小川茂男(1996):各種の裸地土壌におけるアルベドと分光反射率の土壌水分依存性、水文・水資源学会誌、9、pp.92-95

8)

福本昌人(1997):裸地圃場における日平均の可能蒸発量と実蒸発量の推定方法、水文・水資源学会誌、10、pp.438-449

9)

福本昌人(1998):土壌面蒸発と表層土壌水分量に関する実証的研究、博士論文(京都大学、農学)

10)

福本昌人(1999):土壌面蒸発と表層土壌水分量に関する実証的研究、北海道農業試験場研究報告、169、pp.15-86

11)

福本昌人・上村健一郎(2002):GISによる任意領域の耕地面積の推計手法、システム農学、18、pp.36-43

12)

福本昌人・島武男・小川茂男(2003):IKONOS衛星画像データを用いた水田利用タイプの判別精度、システム農学、19、pp.80-85

13)

福本昌人・小川茂男・島武男・上杉晃平(2003):デジタル航空センサーADS40によるデジタルオルソ画像と標高データの位置精度、農業工学研究所技報、201、pp.47-53

14)

福本昌人・吉村亜希子・島崎昌彦(2007):2004年の台風23号による香川県内のため池の決壊の実態、近畿中国四国農業研究センター研究報告、6、pp.167-176

15)

福本昌人・島崎昌彦・吉村亜希子(2008):数値標高モデルを用いた傾斜地カンキツ園の斜面崩壊危険度の評価、近畿中国四国農業研究センター研究報告、7、119-129

16)

福本昌人・柴田昇平・吉村亜希子(2008):LAWEPSによる台風時のパイプハウス地点の風速推定、システム農学、24、pp.85-92

17)

福本昌人(2008):マイクロ波の後方散乱係数と積雪水量との関係、農業農村工学会論文集、256、pp.17-24

18)

福本昌人・広田知良(2009):植被が疎な小麦圃場における土壌表面の乾湿と気温が蒸散量に与える影響、システム農学、25、pp.85-92

19)

福本昌人・吉迫宏・小川茂男(2010):デジタル航空センサーADS40 によるオルソ画像を用いた耕作放棄田の把握、農村工学研究所技報、210、pp.307-317

20)

福本昌人・吉迫宏(2011):ALOS衛星AVNIR-2データと水田区画データを用いた水稲作付け判別、農業農村工学会論文集、272、pp.91-98

21)

福本昌人・吉迫宏(2012):高解像度衛星データを用いた水田の土地被覆の判別手法、農業農村工学会論文集、281、pp.9-16

22)

福本昌人(2013):直径45cmの円筒を用いたシリンダーインテークレート試験による転換畑の排水性評価、農村工学研究所技報、214、pp.209-220

23)

福本昌人・吉迫宏(2013):高解像度衛星画像の目視判読による水稲の作付け判別―茨城県稲敷市を事例として―、システム農学、29、pp.161-167

24)

福本昌人・宮本輝仁(2014):水ポテンシャルセンサーMPS-2の測定値の評価と補正、農業農村工学会論文集、290、pp.73-74

25)

福本昌人・吉迫宏(2014):多時期の衛星データと水田区画データを用いた荒廃農地調査の踏査対象田のスクリーニング手法、農村工学会論文集、293、pp.55-62

26)

福本昌人・進藤惣治(2015):Google Earthを用いた荒廃農地の可視化、農村振興、788、pp.32-33

27)

福本昌人(2016):粘土質転換畑における大型シリンダーを用いた下層土の透水性調査手法、水と土、177、pp.68-74

28)

福本昌人・進藤惣治(2016):Google Earthを活用した農業生産基盤に関わる情報の可視化・共有化、ARIC情報、121、pp.30-37

29)

福本昌人・進藤惣治(2016):Google Earthを活用した荒廃農地調査による荒廃農地の所在把握結果の検査手法、農村工学研究所技報、218、pp.19-28

 

研究論文等(矢挽)

1)

梅田安治・矢挽尚貴・井上京(1992):泥炭地の地盤変動と地下水位変動-泥炭地の地盤沈下に関する研究(I)-、農業土木学会論文集、160、pp.27-32

2)

矢挽尚貴(1994):農地水資源モニタリングシステム構築調査について,ARIC情報、36、pp.46-56

3)

矢挽尚貴(1998):首都機能移転の検討状況について、土地改良、205、pp.9-12

4)

矢挽尚貴(2003):土地改良調査計画におけるリモートセンシングの活用について、第46回北海道開発局技術研究発表会表彰論文集、pp.205-212

5)

矢挽尚貴(2003):北海道農業のためのリモートセンシング実利用マニュアル(分担執筆)、北海道開発局、pp.15-18、pp.46-49

6)

矢挽尚貴(2015):泥炭地とサンゴ礁-生物が造る地形を読む-。でいたんち倶楽部(特定非営利活動法人篠津泥炭農地環境保全の会)、8、p.52-59

7)

矢挽尚貴(2016):統計データによる耕作放棄地と集落営農の関係分析、農村工学研究所技報、217号、pp.75-83


研究論文等(芦田)

1)

芦田敏文(1998):畑地における水利用の実態と畑地かんがいの効果に関する一考察-北海道北見市を事例として―、農業経営研究(北大)、24、pp.107-133

2)

芦田敏文(1999):農地移動における経済合理性と賃貸借展開の要因、農業経営研究(北大)、25、pp.1-26

3)

芦田敏文(1999):北海道における水田農地賃貸借の性格に関する研究、1999年度日本農業経済学会論文集、pp.116-120

4)

芦田敏文(2000):水田土地利用の変化と規模拡大・縮小行動に関する一考察 ―1990年代の減反緩和・減反再強化局面において―、農業経営研究(北大)、26、pp.179-193

5)

芦田敏文(2001):農家の規模拡大と米の収益性に関する一考察 ―1990年代の北海道大規模稲作地帯・北村を事例として―、農業経営研究(北大)、27、pp.17-33

6)

芦田敏文(2002):1990年代後半の米価下落局面における借地型大規模水田経営の展開方向と問題点 ―北海道・旧開稲作地帯を事例として―、農業経営研究(北大)、28、pp.25-44

7)

芦田敏文(2002):米価下落下の水田農家の規模拡大に関する一考察、農業経営研究、40(2)、pp.45-50

8)

芦田敏文(2002):北海道における大規模水田経営の展開方向、博士論文(北海道大学、農学)

9)

芦田敏文(2003):北海道における借地大規模水田経営の存立基盤と農地問題、農業経営研究、41(1) 、pp.61-64

10)

芦田敏文(2004):北海道における大規模水田経営の展開方向、北海道大学大学院農学研究科邦文紀要、26(1)、pp.1-78

11)

芦田敏文(2005):集落空間における用水路の維持管理実態 -北海道水田地帯を対象として-、2005年度日本農業経済学会論文集、pp.383-390

12)

芦田敏文(2006):他出子弟のふるさとへの関与実態と地域農業維持に果たす役割 -北関東中山間地域農村を対象として-、農村計画学会誌、25論文特集号、pp.473-478

13)

嶺田拓也・芦田敏文・石田憲治(2008):新たな環境認識ツールとしての農業者による生きもの調査、農村計画学会誌、27(3)、pp.125-131

14)

芦田敏文(2009):稲作農家における臨時労働力の変化と現段階 -稲作技術・臨時労働力調達形態の観点から-、農林業問題研究、45(1)、pp.74-80

15)

芦田敏文(2010):統計資料からみる耕作放棄地の動向-地目別、畑の耕作放棄に目を向けて-、畑地農業、621、pp.2-9

16)

芦田敏文(2010):他出子弟の実家稲作農業への支援実態と支援意向 -中国中山間地域水田集落を対象として-、農林業問題研究、46(2)、pp.220-226

17)

芦田敏文・長嶺敬・山下裕作(2010):中山間地域における加工販売を目的とした新規オオムギ生産の事例研究、農業経営研究、48(2)、pp.48-53

18)

芦田敏文・吉田晋一・渡部博明(2011):実食によるオオムギの消費者需要の喚起可能性 -中国中山間地域の直売所訪問者に対する配布調査-、農林業問題研究、47(1)、pp.102-107

19)

芦田敏文(2015):畑作による耕作放棄地の再生利用に向けて ―ソバ、大豆、麦等による再生利用事例から―、農業及び園芸、90(7)、pp.713-719


研究論文等(栗田)

1)

栗田英治・木村吉寿・松森堅治・長利洋(2004):棚田景観の評価構造と関係する物理的指標、 農村計画論文集、6、pp.85-90

2)

栗田英治・嶺田拓也・石田憲治・芦田敏文・八木洋憲(2006):生物・生態系保全を目的とした水田冬期湛水の展開と可能性、農業土木学会誌、74(8)、pp.713-717

3)

栗田英治・松森堅治・木村吉寿(2006):台地集落域における土地被覆と人為的管理の変遷、農村計画学会誌、25、pp.239-244

4)

栗田英治(2007):農業・農村地域の景観の変容と人為的管理の変遷、システム農学、23(1)、pp.11-20

5)

栗田英治・松森堅治・山本徳司(2007):景観構成要素と農業形態の変化からみた棚田景観の変容、農村計画学会誌、26、pp.239-250

6)

栗田英治・松森堅治・山本徳司(2008):地域住民及び地域外住民による棚田景観の認知・評価構造、農村計画学会誌、27、pp.257-262

7)

栗田英治・横張真・山本徳司(2009):都市近郊地域における農地の非農業的利用の成立過程、ランドスケープ研究、72(5)、pp.727-730

8)

H. Kurita,M. Yokohari,J. Bolthouse(2009):The potential of intra-regional supply and demand of agricultural products in an urban fringe area: A case study of the Kanto Plain, Japan,Danish Journal of Geography/The Royal Danish Geographical Society,109(2),pp.147-159

9)

栗田英治・重岡徹・山本徳司(2010): 都市近郊地域における市民農園の利用者組織の可能性、農村計画学会誌、29(3)、pp.349-352

10)

栗田英治(2011):非農家による都市近郊農地の保全・管理に関する研究、博士論文(東京大学、環境学)

11)

栗田英治(2012):2011年度・奨励賞(論文)授賞-農林地の保全・管理を目指した農村ランドスケープの変容解析、農村計画学会誌、31(2)、pp.188

12)

H. Kurita(2015):Changes in agricultural landscape management by the local community in the Noto Peninsula, Japan, The 14th Landscape Architectural Symposium of China, Japan and Korea, pp.221-227

13)

栗田英治(2015):視認特性及び管理主体からみた傾斜地水田保全、ランドスケープ研究、78(2)、pp.599-602

14)

栗田英治(2016):小型UAV空撮・三次元形状復元技術を用いた農地情報の把握、農村振興、794、pp.28-29

15)

栗田英治(2016):小型UAVを用いた空撮による農地情報の収集技術と課題-耕作放棄地放牧への活用の可能性-、畜産コンサルタント、52(4)、pp.57-60


法人番号 7050005005207