農作業安全コラム

腰痛について

R3年4月 菊池 豊

 皆様は腰痛の経験はありますか?私は、長年腰痛とお付き合いしています。特に、重い荷物を運んだり、天気の変わり目などしんどい思いをします。

 「腰痛」とは病名ではなく、腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。日本国民約80%が一生に一度は腰痛の経験があるそうです。働いている人の疾病で最も多く、曜日別には月曜日、時間帯別には8~10時と作業の始めに最も多く発症し、休業日数1ヶ月以上が4割以上で重傷となりやすいとのことです。 

 2015年に私どもが実施した全国の普及センターへの農業労働・作業環境に関するアンケート結果外部リンクでも、腰痛、重量物の取扱い、しゃがみ、中腰姿勢など労働による健康問題が上位にランクされています。
 これに対して、日本国内では「職場における腰痛予防対策指針」外部リンク(平成6年9月6日基発第547号)などに、対策が示されています。国際的には、ISO11228-1~3(人間工学-手作業による取扱い、パート1:持ち上げと運搬、パート2:押しと引き、パート3:低負荷での高頻度繰り返し)が、荷物の取り扱い時の腰痛などを防止するために取り扱う質量の上限などを定めています。手前味噌ですが私どもではこれら国際規格審議や翻訳作業に携わったり、アシストスーツの研究も行っています。
 なお、児童労働を禁止する条約である「最悪の形態の児童労働に関する条約」(第182号、1999年)外部リンクがILO全加盟国187カ国の批准により、2020年に発効しました。内容は危険な奴隷制、強制労働、人身取引、武力紛争への徴用、売春、ポルノ制作、不正な活動、危険有害労働における児童の使用を禁止するものです。2021年は、国連が定めた「児童労働撤廃国際年」です。危険有害労働の中には、危険な機械を使用したり、毒性の強い薬物を取り扱うなどのほか、重量物の運搬が含まれています。

 春の農作業が本格化する時期ですが、準備体操や保護具を使用するなど腰に気をつけて元気に働きたいものです。

 

キーワード:安全装置・対策/運搬・移動
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