農作業安全コラム

ゲームと安全

H15年3月 中野 丹

 病院におけるリハビリには、筋肉トレーニングとか歩行訓練などがある。これらはいずれも単調なうえに、効果が見えにくいため、患者の努力をしいることになり、患者にとって大変つらいものである。

 これを解決するため、ある病院で、ゲームセンターによくあるワニ叩きのゲーム機をリハビリに導入したところ、患者がゲームの得点アップに熱中して、筋力アップにもつながったという。

 アメリカでは、農業者用に、模型トラクタを運転して危険箇所や作業を確認させるような方法とか、インターネットを使ったクイズ形式の参加型ソフトなどを開発して安全啓発活動に活用している。当機構でも、コンピューターグラフィックスにより、パソコン上で農作業を疑似体験して、安全度を点数化して農業者の安全意識を再点検できるソフトウエアを開発中である。

 従来の安全啓発活動は、とかくスローガンの連呼や精神訓話的ものが多く、農業者にとって安全性向上の効果がわかりにくいため、継続することが難しかった。

 これからの農作業安全の啓発活動には、ゲーム感覚で、効果が見え、農業者が楽しんで実践できるような工夫が必要であろう。

 

キーワード:安全装置・対策/乗用トラクター
サブキーワード:国際/農業経営体/他業種