トレーラのけん引バック研修
H15年6月 中野 丹
先日、農業技術研修館の研修を見学することができた。「けん引操作指導法」に関するもので、農業大学校等での指導者クラスのベテランを研修対象者としているものであったが、たまたま、学生クラスの初心者が一緒に参加していた。研修の内容としては、トラクタにトレーラをつけて直線道路をバックするものと、バックでの車庫入れの2点であった。
乗用型トラクタによるトレーラのけん引バックは、トラクタの運転操作の中でもかなり難しいものである。その原因として、
- バックする時間は、前進に比べ圧倒的に少ない
- トラクタのハンドル操作でヒッチの向きを変えてトレーラの方向を変えるため、ハンドル操作のタイミングが難しいこと
等があげられる。
けん引バックの上達には、トラクタのハンドル操作でトレーラがどう動くかのタイミングを予測する事が重要で、そのためには練習が欠かせないが、ただ、やみくもに練習するのでなく、上級者がどのように運転しているのか、よく観察する事も大切である。農作業は1人作業が多く、自分の運転能力をチェックする機会が少ないいため、とかく独りよがりにおちいりやすい。ベテランが、自分の運転をチェックし弱点を強化しようと一生懸命練習している姿を見て、初心者にとっても大変有意義な研修となったのでは、と感じた。