農作業安全コラム

大雨時の圃場見回りはやめよう

H16年9月 石川 文武

 今年は台風の接近回数が多くなっていますし、新潟や福井では豪雨がありました。9月、10月にもいくつかの台風が来るかもしれません。被害にあわれた方にはお見舞い申上げるとともに、災害復旧にあたっては、安全第一で取組んでください。

 台風や豪雨のときの災害では、大雨が降っている時や風の強い中に圃場の見回りに行き、水路へ転落したり、飛来物にぶつかったりする事故報道があとを絶ちません。被害者が高齢であること、単独で見回りにいっていることなどが、共通項目となっています。あふれた水で圃場と道路や水路との区別が付きにくくなっています。流れ込んだもので稲が水びたしになっている状況を一刻も早く改善するために見回りに行くのでしょうが、あたり一帯が水びたしになっている中で、流れの支障となっているものを一人で取除けるものではありません。雨が小振りからやむ方向になっているのであれば、あふれた水を早く圃場外へ出すことの意味は有りますが、まだ降り続く中での作業はわが身の安全のためにやめるほうがよいでしょう。精魂こめて作っている作物の被害を少なくしたいという気持はわかりますが、そのために貴重な命を奪われては元も子もありません。

 どうしても見回りに行くのであれば、複数で行く、すり足で移動する、長い竿のようなもので周囲の深さを確認する、流れの支障になっているものを取除く時には、安全な電柱などと体をロープなどでつないで濁流に飲込まれないようにする、等といった安全対策を取りましょう。

 

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