農作業安全コラム

重大事故は減っても、、、。

H17年3月 石川 文武

 先ごろ、2004年に発生した交通事故についての速報がありました。死亡は前年より344人減って7,358人、事故の件数は4,000件増加して952,000件、負傷者は1,700人増えて1,187,000人。死亡者のうち65歳以上が40%を超えてしまった。また、70歳以上の運転者が起した死亡事故が前年より39人増加して690人となった。死亡は減ってきているが、事故件数と負傷人数は過去最大となっている。

 シートベルトの装着、エアバッグや衝撃吸収型のボンネットなど、車側の安全対策の進展、そして、信号や道路整備など環境面からの対策が進んだ成果と考えられる。しかし、死亡が減ったからといって喜べる内容ではない。負傷者の中には、障害が残る例もあるだろうし、自賠責では補償しきれない運転者も多いだろう。事故は被害者にも加害者にも重くのしかかるものである。

 農作業事故の場合には、加害者となるような事故は少なく、自損事故の割合が多いと思われるが労災の特別加入の条件を満たしていても未加入の農業者が多い。無事に作業が終れば、保険を使わないことになり、それがもったいないと考える人も多いと聞く。しかし、万が一の事故が発生した時の補償の厚さを考えれば、保険に加入しない手はない。労災への特別加入のための事務組合を設けていない地区もあるが、地域からの犠牲者を出さないためにも、労災加入を促進させたい。

 

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