農作業安全コラム

高齢化と農作業事故防止

H18年12月 中野 丹

 つくば市の独立行政法人産業技術総合研究所にある『くらしとJISセンター』を訪れる機会があった。ここには、高齢者・障害者などにも配慮した標準化研究についてわかりやすく紹介するため、聴覚、視覚などの体験コーナーが設けられている。

 聴覚体験コーナーでは、同時に体験した若い人には聞こえる高周波音がどうしても聞こえない自分に、高い音が聞きづらくなっていることを、はじめて自覚できた。

 聴力や視力は、加齢とともに徐々に減退するため、本人の自覚がないままに事故のリスクが高くなることがある。このコーナーに見られるような身体機能の衰えを気付かせる手法は、事故を予防する手段として有効と考えられる。

 農業センサスによれば、下のグラフのように農業就業者の高齢化が急速に進んでいる。高齢者に配慮した農業機械や高齢者に身体機能の衰えを自覚させる手法の開発を早急に行うなど、事故防止に向けた対策を進める必要があることを改めて感じた。

グラフ

 

キーワード:安全装置・対策
サブキーワード:農業経営体/他業種/高齢者