エラーを防ぐ
H19年2月 岡田 俊輔
ヒューマンエラーは、問題にならないものから事故や災害につながるものまで様々ですが、私が最近犯した一番大きなエラーは、試験中に起こした加速度センサーの配線ミスです。そこで、ヒューマンエラーについて調べていると、驚いたことにマーフィーの法則は、私とほぼ同じミスである、計測器の誤配線が生じたときに発した言葉、「失敗する方法があれば、奴はその方法でする」から派生した、という説があるそうです(参考:Wikipedia)。
それから50年以上たった今も、同じ失敗をマーフィー大尉の台詞そのままに繰り返してしまった自分に苦笑せざるをえませんが、それほどヒューマンエラーを防ぐことは難しい、あるいは、必ず起こりうるということでしょう。しかし、対策をとることで、エラーを減らし、エラーが生じても問題を軽減させることは可能です。そこで、Medical Human Factors TOPICS1の「エラー防止対策発想手順」を参考に、加速度センサーの配線ミスをなくすにはどうしたらいいか、自分なりに考えてみました。皆さんも、以下の11項目を順に追って、日常で経験するミスをどう防ぐか考えてみてはいかがでしょうか?
- やめる--->(可能な限り)センサーは計測器から外さない。
- できないようにする--->コネクタをそれぞれ専用のものに換える。(現実には難しい)
- わかりやすくする--->各ケーブルに番号札をつける*。ケーブルの色の並びを統一する。
(*今回のミスは、間違って付けられていた番号を鵜呑みにし、動作確認を怠ったことから生じた。) - やりやすくする--->校正値などの設定を保存するなど、雛形をつくっておく。環境整備。
- 知覚能力を持たせる--->経験の蓄積。
- 認知・予測させる--->注意書きを貼り付ける。予行演習。
- 安全を優先させる--->急がない、急がせない。
- できる能力を持たせる--->計測に関する知識、計測対象に関する知識。
- 自分で気付かせる--->指差し確認、再確認、チェックリスト。
- 検出する--->動作確認、他者による確認。
- 備える--->予備の用意、時間にゆとり。いつもと異なる設定にした時は、必ず元に戻してから収納。
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