農作業安全コラム

刈払機の安全性向上に向けて

H22年6月 皆川 啓子

 農業機械生産企業等で構成される(社)日本農業機械工業会の刈払機部会より、先日5月12日、「刈払機の安全性向上対策として、固定式スロットルレバーの機種は平成23年9月末をもって生産中止することを部会員ほか関連22社と合意した」と発表がありました。

 (社)日本農業機械工業会の刈払機部会では、平成20年6月より「使用者の安全な作業環境を提案する取り組みは企業の社会的責任であるとの認識から、「全社に共通するものとして自主的に取り組む必要がある」と合意」(農村ニュース:平成22年5月17日発行より抜粋)し、検討を重ねてきたとのことです。

 これにより、今後大部分の刈払機のスロットルレバーは安全鑑定基準にある「ハンドルから手を離すことでクラッチを切る方法又はこれと同等の機能を有する」に適合する方式(参照:農作業安全情報センター内の「農業機械の安全装備いろいろ」)へ移行すると考えられ、刈払機の安全性が向上し、刈払機使用時の事故の減少につながることを切に願いたいと思います。

 これから本格的な草刈りの季節がやってきます。重大な事故を防ぐためにも、安全装備をそなえた農業機械を適切に使用していただきたいと思います。また、近年は安全を意識して安全鑑定基準以上の装備を有する農業機械も数種生産されています。

 農作業事故を少しでも防ぐため、今後、農業機械の購入又は更新を考える際の検討事項に、作業性能や価格の他に安全性に配慮したものかどうかを加えていただけると幸いです。

 補足ではありますが、既に安全鑑定に適合している各種農業機械には緑色の安全鑑定証票(下図)が貼付されていますので(参照:平成21年7月コラム)、ご購入の際、是非、参考にしてみてください。

安全鑑定証票

 

キーワード:安全装置・対策/刈払機/草刈・伐採
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