農作業安全コラム

巻き込まれ事故の防止に取り組んでいます

H24年3月 岡田 俊輔

 農業機械ではありませんが、木工用機械では最も多い事故のひとつとして、テーブルソー(丸のこ盤)による指の切断が挙げられます。この事故を防止するため、近年では刃と指の接触を検知し、自動的に停止する安全装置が組み込まれた製品が販売されています。原理は、木材と指の電気の流れやすさの違いに着目したもので、のこ刃にかけておいた電圧により、木材とは異なる指が触れたときに生じる特徴的な電圧の降下信号を検出して、瞬時にのこ刃を落下・停止させるものです。「テーブルソー 安全装置」等のキーワードで検索すると動画を見ることができますので、ご興味がある方はご覧下さい。

 農作業の現場においても、自脱コンバインの手こぎ時やフォレージハーベスタの刈取部等で、指の切断や足の巻き込まれ事故が発生しています。しかし、農業分野では作物の水分状態が様々であるため、テーブルソーの検出原理を利用して作業者と作物を判別するのはなかなか困難です。

 そこで現在、安全靴や耐切創手袋の金属を検出することで、作業者を判別し、巻き込まれ事故を防ぐことができるのではないかと考え、研究・開発に取り組んでいます。現状では、検出距離が課題として残っており、磁気センサの改良や、金属よりも検出しやすい対象として磁気手袋の様なものができないか等々検討している最中で、まだまだ暗中模索しております。農業機械においても安心して作業ができる日が来るよう努めて参りますので、ご指導・ご助言を頂けると幸いです。

 

キーワード:事故/安全装置・対策/研究/コンバイン(自脱型/普通型)/その他の機械/収穫・調製
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