農作業安全コラム

低速車マークの装着について

H24年9月 高橋 弘行

 農業機械が一般の自動車と比較して速度が遅いことから、特に夕方から夜間にかけて、前方を走行する農業機械に対して、後方から接近する一般自動車からの認知が遅れ、減速等の回避行動が間に合わず追突事故にいたる危険性があります。このような背景をふまえ、農業機械への低速車マークの装着が従来から推進されています。

 低速車マークは、写真に示すよう、一辺が350mmの正三角形の縁に約45mmの帯がついた形状をしており、蛍光色の赤みを帯びたオレンジ色の三角形部分は、昼間における識別に効果があります。正三角形各辺の赤色の帯は、反射板になっており、夜間、後続車両の前照灯により、三角形の輪郭として浮かび上がって認識されます。マーク全体や蛍光素材、反射素材とも満足すべき性能等の要件が、規格で定められています。一方、比較的小型である国内の農業機械に対する装着を考慮して考案された小型の低速車マークは、前述したマークの相似形をしており、高さが250mmとなっています。

 生研センター(現:革新工学センター)では、これまで、低速車マークの装着について検討を重ねてきました結果、25年度より、農用トラクター(乗用型)について、低速車マークの装着を安全鑑定の確認項目として、基準に適用することになりました。

 今後、マークを装着して走行する機械が増え、この形状が「低速車」を意味するという認識が道路を走行するドライバーの中にも浸透することを期待しています。

低速車マーク 低速車マーク

 

キーワード:事故/安全装置・対策/乗用トラクター
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