農作業安全コラム

日韓共同研究 成果報告・研究会

H25年7月 塚本 茂善

 先日、韓国農村振興庁農業工学部より5名の研究者が生研センター(現:革新工学センター)に来所され、日韓共同研究の成果報告・研究会を行いました。以前にもご紹介したとおり、これは日本、韓国両国の農作業や農業機械の安全に関わる研究協定に基づくものです。

 今回韓国からは、「農業機械の安全に関する研究推進の現況」、「農業機械の安全教育用シミュレータの開発現況」、「農業機械の農作業事故発生に影響を与える要因分析」、日本からは「農業機械の安全標識・操作表示の評価方法と改善研究」、「農業機械等による事故の詳細調査・分析手法の研究」について報告が行われました。いずれの課題も活発な意見交換が行われ、特に農作業事故の要因分析や詳細調査に関しては、かなり踏み込んだ意見交換が行われました。日本も韓国も農作業事故の詳細調査が行われていないという状況は同じで、ともに農作業事故の防止には詳細な事故調査及び分析が重要であるという認識で一致しています。 また、「農業機械の安全教育用シミュレータの開発現況」では運転時の状態をリアルに再現することで、より効果的な安全啓発を目指したトラクタの安全運転教育用のドライブシミュレータの開発について紹介がありました。安全教育と言えば、この農作業安全情報センターHP内にも「農機安全eラーニング」のコーナーがあり、農作業安全に関する知識を写真や動画を用いて楽しく効率的に学べるサイトをご用意しています。まだ、試されたことがない方は是非一度お試しください。

 韓国でも農作業安全は重要なテーマとして取り組まれており、今後も研究交流を継続し、情報交換を行いながら、お互いのよいところを取り入れ、農作業事故防止に向けて取り組んでいければと思います。

 

キーワード:事故/研究/乗用トラクター
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