農作業安全コラム

コマーシャルを見て思うこと

H25年9月 土師 健

 近頃自動車のコマーシャルで良く見かけるのは、「ガソリン(軽油)1Lあたり〇〇km」といった燃費性能と、「前方の車や人等にぶつからない(ぶつかりにくい)自動ブレーキ機能搭載」、「誤発進防止装置搭載」、「軽自動車で初めて横滑り防止装置搭載」といった安全性をアピールしているものだと思います。これらの機能がアピールされるのは、市場のニーズが有ることや技術開発が進みコストが下がってきたこと等が挙げられます。

 農業機械では、自動車ほど燃費性能、安全性が前面に出てきてはいない状況ではありますが、いくつか例を挙げてみますと、燃費性能については、今年度一般社団法人日本農業機械化協会が「農業機械の省エネルギー性能認証表示制度」を創設し、乗用型トラクターと穀物乾燥機について年度内に第1号認証を目標とすることとなっています。また、安全性については、平成25年度から生研センター(現:革新工学センター)の安全鑑定基準に乗用型トラクターへの低速車マークの装着が追加になったこと(詳しくは平成24年9月のコラムをご覧ください)や、農業機械等緊急開発事業(緊プロ事業)で25年度末を目途に、乗用トラクターの片ブレーキ防止装置(片ブレーキの誤操作による事故を防止するための装置)と自脱コンバインの手こぎ部の緊急即時停止装置(手こぎ作業時の巻き込まれ事故を防止するため、緊急停止ボタンを操作すると即座にフィードチェーンが停止する装置)の開発が行われています。

 そう遠くないうちに燃費性能や安全性がこれまでよりもアピールされる農業機械が登場するのではないかと思いますので、購入される際にはそうした点も選択するポイントの1つとしてみてはいかがでしょうか。

 

キーワード:安全装置・対策/研究/乗用トラクター/コンバイン(自脱型/普通型)
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