農作業安全コラム

農業機械の安全装置普及の鍵は・・・

H27年6月 穴井 達也

 乗用トラクタの片ブレーキ誤操作防止装置や自脱コンバイン手こぎ部の緊急即時停止装置など、生研センター(現:革新工学センター)とメーカーとで共同開発した安全装置を装備した農機の販売がはじまっています。
 開発した研究者は、安全性が向上したと自負しており、多くの農業者に使ってもらい事故を減少させたいと願っています。が、ともすると安全機能を作業の効率を落とすものとみて、使い慣れた旧型のタイプを選択する農業者もかなりいらっしゃるので、安全装置付きが順調に普及するかどうかは予断を許しません。このため、標準装備ということにして、順次対応可能な機種から装備し、最終的には国産乗用トラクタや自脱コンバインの全機種に装備されることになっているのですが、それを待っていては時間がかかりすぎます。早期に普及につなげる方法はないものでしょうか?

 やってもらえたらいいのにと密かに期待しているのが、損害保険会社(一番インパクトがあるのはJA共済?)で評価してもらうことです。具体的にいえば、安全装置がついた農業機械を使用する農家はそうでない機械を使用する農家より、傷害保険(共済)の掛け金が安くなるということです。掛け金が安くなるということは、安全装置をつけた方が事故のリスク(事故の大きさ×事故の確率)が低くなると損保会社(共済)が認めることであり、安全装置の効果を間接的に支持してくれることにもなるわけです。
 かくして、農家は掛け金が減り、損保会社(共済)は保険金を支払う確率が減り、研究者は安全装置の有効性を社会に認められ、となれば関係者が皆満足するわけで、これ以上に安全装置を装備した農機を普及させるインセンティブはないように思うのですが・・・

 

キーワード:安全装置・対策/研究/乗用トラクター/コンバイン(自脱型/普通型)
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