農作業安全コラム

農業機械での火災

H27年9月 土師 健

 最近、乗用型草刈機での草刈り作業中に出火した話を聞く機会がありました。原因は枯れ草が少し溜まっている場所を通過した際に、マフラーの熱により枯れ草が燃えた事のようです。運転者にはヤケド等のケガはなく、機体の一部と枯れ草が少し燃えた程度で済んだとの事でした。

 被害が大きくならずに済んだ要因は2つ考えられます。
 1つ目は複数人で作業をしていたため周りの作業者が気付き、草刈機の運転者が避難できた事が挙げられます。実際の機械を見ることもできましたが、機体前方は焼けており、気付くのがもう少し遅れていれば燃料ホースまで到達し被害が大きくなった事が容易に想像できました。運転者は機体前方が燃えている事に気がついていなかったとの事で、複数人で作業をしていた事で被害が小さくなったと考えられます。
 2つ目は近くに水道があった事で初期消火ができた事が挙げられます。今回は運良く出火した場所から10m程の所に水道があり、速やかに消火活動を行う事ができましたが、水道がなければ、燃料のガソリンに引火し大きな被害になっていた可能性も考えられます。

 農業機械において火災の要因を考えてみますと、油脂類、電気、ワラくず等の堆積物が挙げられます。これらへの注意点を列挙しておきますので、参考にしてください。
 多くの走行式機械では、燃料、潤滑油等の油脂類を使用していますので、それらを取り扱う際には、タバコ等の火気は近づけないように、特に揮発性の高いガソリンの取扱については注意して頂きたいと思います。
 乾燥機等の電気で稼働するものについては、プラグを長い期間コンセントに差し込んだままにしておくと、プラグとコンセントの隙間にホコリがたまり、このホコリが原因で発火につながることがあります(トラッキング現象)ので、使用しない時は電源プラグを抜いたり、コンセントとの接続状態を定期的に確認するようにしたりして頂きたいと思います。
 ワラくず等の堆積物は今回ご紹介したように機械の熱により燃える可能性が十分にありますので、エンジン、マフラー等高温になりやすい部分は特に清掃を心がけて頂きたいと思います。
 最後に、万が一の場合に備えて消火器を用意しておくと出火しても初期消火が可能となり被害を最小限にする事ができるのではないでしょうか。

 

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