農作業安全コラム

再出発にあたって

H28年5月 菊池 豊

 農研機構の改組に伴い、7年ぶりに安全人間工学担当へ配属となりました。そもそも、私自身、農家生まれで農作業の3K(「きつい (Kitsui)」、「汚い (Kitanai)」、「危険 (Kiken)」)を痛感していました。さらに交通事故にあい職場復帰と同時に、安全人間工学研究単位に配属になったのが私の安全人間工学研究のはじまりです。それ以来、農家の皆様に対し抜苦与楽できないものか、智慧をしぼったり、いろいろ恥をかいたりしながら技術開発と成果の普及を進めてきました。

 この農作業安全情報センターホームページの開設にも携わりました。2000年当時は、いろいろな分野で事故を多面的に分析して安全対策を見直そうとしたり、インターネットの普及とともに資料を電子化するなどの取り組みが行われていました。そこで、農業分野でも事故を分析するとともに最新の安全対策を直接発信して対策に役立てていただこうということになり、特別研究企画委員会の調査、検討を経て、2003年に事故分析結果と農作業現場改善チェックリストをホームページに掲載し始めました。途中、データベースに愛称をつけようということになり、「Jiko-nasy…」、「Jiko zero…」などの案の中から「Agricultural Notice for Zero-accident Engineering (ANZEN)」となったことを記憶しております。

 それから10年以上ANZENホームページを皆様にご愛顧いただいて参りました。しかし、現在も農作業事故で多くの尊い命が失われ、その後の悲惨な状況が発生しています。また、図に示す全国の普及センターへのアンケート結果にもあるように労働力不足、腰痛などの農業労働問題も山積しております。

 最後に、農家の皆さまの安全と健康を確保できるよう、改めて挑戦していく決意をもって、再出発のあいさつに代えさせていただきます。

図

 図 普及センターで見受けられる問題と農家から相談の回答割合

 

キーワード:事故/安全装置・対策/研究
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