農作業安全コラム

安全性検査が始まりました

H30年8月 塚本 茂善

 これまで革新工学センターでは農業機械の安全性に関し、型式検査や安全鑑定を実施してきましたが、今年度より新たな検査制度に生まれ変わりました。新たな検査制度である安全性検査は、農業機械の安全装備関係の安全性を確認する「安全装備検査」、トラクターや運搬車に装着する安全キャブ・フレームの安全性を確認する「安全キャブ・フレーム検査」、自動化やロボット化された農業機械の安全性を確認する「ロボット・自動化農機検査」の3つで構成されています。 この中でもロボット・自動化農機検査は昨今の農業機械の自動化やロボット化に対応すべく新設されました。このロボット・自動化農機検査では、運転者の乗車が必要な自動操舵機能付きの農業機械を「自動化農機」、ほ場内やほ場周辺から監視している下で、無人で自動運転させる農業機械を「ロボット農機」としています。 今年度からの開始にあたり、まず対象とする機種は、自動化農機では農用トラクター(乗用型)、田植機、コンバイン(自脱型)、コンバイン(普通型)で、ロボット農機では農用トラクター(乗用型)となっています。自動化農機とロボット農機では、人が乗車するかしないかという根本的な違いがありますので、必要な安全装備等も当然違ってきます。例えば自動化農機では、自動操舵中に何かあった場合、危険を回避するために乗車している人による手動操舵が優先される機能が必要ですし、 ロボット農機では、自動運転中に人や障害物を検出した際は自動で停止することが必要です。自動化・ロボット農機検査のもう少し詳しい試験内容などについては、別の機会に改めてご紹介させていただきます。

 今後自動化農機、ロボット農機の受検が始まれば、革新工学センターのHPなどで合格機の情報を公表することにしていますので、是非参考にしてみて下さい。我々は安全性検査を通して、安全な自動化農機、ロボット農機の普及を支援していきたいと思います。

 

キーワード:安全装置・対策/乗用トラクター/コンバイン(自脱型/普通型)/田植機
サブキーワード: