農作業安全コラム

無意識な動きの活用

R1年7月 大西明日見

 梅雨でじめじめしている地域が多いことと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 先日、大企業の工場での勤務経験がある方のお話を伺う機会がありました。
 工場の入口の上部などに「安全第一」の看板が掲げられているのは、外から見えることも多く、ご覧になったことがある方もいらっしゃると思います。工場には、その他にも、あちこちに安全のための看板が掲示されているのが一般的です。「感電注意」「高温注意」のような注意を喚起するもののほか、 特定の場所では「保護具着用」「指差呼称」「立入禁止」のように、行動を要求したり禁止したりする内容のものがあります。もちろん、ただ看板があるだけではなく、朝礼などを通じて各自が日常的にとるべき行動を再確認するようになっているでしょう。
 お話では、このように決められた行動をとることを、最初は面倒に感じていたものの、長く働いているうちに体に染みつき、二日酔いのときでも反射的に体が動くようになっていた、とおっしゃっていました。(二日酔いでの工場勤務は安全なことではないと思いますが、たとえとしてご理解ください)
危険を減らすために、無意識に安全な行動ができるようにすることも、一つの方法ではないかと思った次第です。

 たとえば、トラクターの座席に座ったら同時にシートベルトを締めるというようなことが、無意識にできるとよいかもしれません。さらに、「シートベルト、よし!」の確認ができると完璧ですね。そうすることで、もし締めることと確認することのどちらかをうっかり抜かしてしまっても、シートベルトをせずに運転するリスクをほぼなくすことができます。
  時間はかかると思いますが、ひとつずつでも身につけてみてはいかがでしょうか。

 ただし、無意識に安全でない動きをとるようになってしまっては本末転倒ですので、身につける際はよく確認してください。また、経験の長い方ほど、既に身についている動きも多いと考えられますので、ご自身の動きを振り返って確認してみてください。どちらも、周囲の方とご一緒に、客観的な視点からも見てもらいながら行うことをお勧めしたいと思います。

 

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