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農業機械による事故の詳細な調査・分析手法

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農業機械による事故の詳細な調査・分析手法
【背景・経緯】
 事故対策には、これまでに起きた事故を詳しく調べ、原因を把握することが不可欠です。各産業では、それぞれに事故の詳しい調査・分析手法が構築されています。しかし、農作業事故については、これまで体系的な詳細調査・分析手法がなく、地域毎に取組みに差があったり、多くが事故の種類(転落、巻込まれ等)や年齢層毎の件数等が把握できる程度に留まっていました。
 そこで、農作業事故に対応した詳細調査・分析手法の構築を目指し、まずは農業機械のうち死亡事故、負傷事故がそれぞれ最多とされる乗用トラクターと刈払機の事故を対象に、事故要因につながる項目を見落としなく調査するための調査票と、記入後の調査票から事故要因を漏れなく抽出するための分析手法を検討しました。

【研究結果の概要】
1.事故調査票の検討
  これまでの各都道府県の事故調査では、調査担当者の経験の差や、都道府県ごとの調査の仕組の違いなどにより、調査項目や情報量にばらつきがありました。そこで、調査員の過度な負担にならないように分量や体裁を検討し、分析に必要な項目が漏れなく記載できる調査票を作成しました。これを各都道府県で統一して用いることにより、調査項目が統一化できるだけでなく、調査者の先入観等による事故要因の見落としも防ぐことができます。
2.詳細事故調査の実施とデータベース化
  この事故調査票をもとに、本研究にご協力いただいた都道府県で、実際に詳細事故調査を行っていただきました。上がってきた調査票から、分析に用いる項目をデータベース化します。まずはこれで、地域別、事故様態別など、様々な切り口で事故データが集計可能になります。集計結果の一部は、プレスリリースでも紹介しています。
3.事故分析手法の検討
 次に、個々の調査票から事故要因を漏れなく拾い上げるための分析表を作成しました(表)。分析表は、縦軸に当事者および当事者と関係する各要素(安全管理、機械、環境、補助作業者等)、横軸に時系列(事故の発生前、発生時、事故後)が配置された書式となっています。その各欄それぞれに、これまでに蓄積した事故調査結果から抽出・整理された事故要因が予め記載されています。
 分析者は、調査票を見ながら、分析表の要因ひとつひとつについて該当の有無をチェックします。これにより分析者の思い込みによる事故要因の見落としを防ぎます。同種の事故についてこの分析結果を積み重ねることにより、どの地域ではどの要因が多いか、といった比較が可能になります。この結果に対して既存の事故分析手法やリスクアセスメント手法を適用することで、事故要因毎の対策による効果の推定等が可能になります。
 図は、故障の木解析とR-Mapという各手法を用いて、乗用トラクターの転落転倒死亡事故の調査結果を分析した結果です。安全キャブ・フレーム未装着機(図中の「安全性や操作性の低い機械」)への対策が最も効果的である一方、それだけでは十分なリスク低減にはならず、シートベルト装着や環境改善も同時に進めることの重要性が示唆されました。
4.結果の活用と今後の展開
 上記2〜3の分析結果は、随時協力先の都道府県に情報提供し、一部の県ではすでに啓発チラシや安全講習会等の啓発事業に反映されています。
 最終的には国の正式な調査分析手法として位置付けられることを目指し、今後はさらなる詳細調査結果の蓄積や、他機種等への展開を目指して、引き続き取り組んでいく予定です。
(特別研究チーム(安全) 積 栄)

 
≪事故詳細調査票(乗用トラクタ用)のダウンロードはこちらから(.docファイル)≫
≪事故詳細調査票(刈払機用)のダウンロードはこちらから(.docファイル)≫
 
≪事故詳細調査票(乗用トラクタ・刈払機)の記載マニュアルのダウンロードはこちらから(.pdfファイル)≫





表 事故詳細調査結果の分析表(機種共通)
≪分析表のダウンロードはこちらから(.xlsファイル)≫




図 乗用トラクターの転倒転落死亡事故の分析結果(上:故障の木解析、下:R-Map)

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