1.再発防止
問題の起きた原因を調べ、それを取り除いて、同じ問題が起きないようにして、安全を実現する手法を言います。
例えば、本サイトの事故事例検索等を活用して、ご自身の農作業現場では同じ事故を起こさないようにして、安全を実現することができます。
2.未然防止
まだ起きていない問題の発生を予測し、それが起きないように未然に防止して、安全を実現する手法を言います。
例えば、本サイトの対話型農作業安全研修ツール等を活用して、ご自身の農作業現場でも起こり得る事故を予測し、未然に防止できる策を検討・実施することで、事故を引き起こさず、安全を実現することができます。
3.フェイルセーフ
機器の故障や作業者の操作ミスなど、エラーが発生した際にも、なるべく安全な状態に移行するような機器設計のことをいいます。
例えば農業機械では、歩行用トラクタの挟圧防止装置(作業者が、後進する機体と壁や柱の間に挟まれた際、自動的に原動機を停止、または走行部への動力を遮断する装置)があります。お手持ちの機械の安全装置を確認してみましょう。
4.フールプルーフ
取扱いを誤っても危険が生じない、または、そもそも誤った操作や取扱いができないような構造や仕組みとする機器設計のこといいます。
例えば農業機械では、動力源を始動・接続した際に、作用部が作動しないようにする安全装置(クラッチを切らないとエンジンが始動しないなど)、回転部のカバーを開けると回転が停止する(インターロック)機構があります。機械を選定する場合には、安全装置にも着目して選びましょう。
5.ヒヤリハット
事故には至らずとも、もう少しでケガをするところで、ヒヤリとした、ハッとした状況のことを言います。1件の重大災害の発生には、29回の軽傷を伴う災害、300回の無傷害事故があるとも指摘されています(ハインリッヒの法則)。この「ヒヤリとした」「ハッとした」状況を報告し合うことは、災害防止の第一歩となる、危険有害要因を把握する方法として効果的です。
農業現場においても、ヒヤリハットを共有し、対策を検討・実施することが、安全な作業現場を作ることに繋がります。
6.リスクアセスメント
作業上の潜在的な危険性、有害性を見つけ出し、危害の大きさと発生確率からこれらの組み合わせであるリスクを見積もり、対策の必要性を評価するまでの一連の手順のことをいいます。評価に応じて、リスクを除去・低下するための対策を講ずるまでをリスクマネジメントといい、このサイクルを繰り返すことが、安全の実現に繋がります。
潜在的な危険性や有害性とはつまり、実際には(まだ)災害を発生させていなくても、放置していると災害に繋がるだろうと予見されるものです。これを見つけ出すためには、5.で紹介したヒヤリハットの共有や、危険への気付き、適切な安全知識の習得が重要です。
いつもの現場、いつもの作業にも、潜在的な危険性、有害性が隠れています。改めて、見直してみましょう。
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