【概要・特徴】
 一般に、赤色領域(660nm 付近)の光の透過量(R)と、遠赤色領域(730nm 付近)の透過量(FR)の比率(R/FR比)が小さいと植物の節間が伸長し、逆に大きいと節間の伸長が抑制され、ワイ化することが知られている(図1〜2)。
 弊社の熱線遮断フィルム「YXE-5」(開発名称)は、この現象をもとに、FRをカットすることでR/FR比を大きくすると同時に近赤外線領域の熱線を吸収する能力を有している。
 これを用いると植物によっては草丈のワイ化のほか、葉の大きさや葉緑素量の変化、花芽分化の促進、開花時期の遅延等が認められる。更に、光合成に必要な400〜700nm の光は透過しながら熱線を遮蔽する特徴があり、ハウスにおける夏場の栽培および作業に好適環境をもたらす。
 
【導入効果】
ワイ化効果
花卉、野菜苗の徒長抑制により、風雨に対して倒れにくく、健苗率が高い。
鉢花をコンパクトに仕立てられ、商品価値が向上し、輸送にも便利である(図4)。また、鑑賞用の花卉生産に多く用いられる薬剤の代替となる。
熱線吸収効果
夏場、2〜3℃の地温の低下効果が見られ(図3)、体感温度の低下により温室内の作業性が向上する。
夏場の軟弱野菜の栽培に活用できる(図5)。
花芽分化
フィルム透過光下で育苗を行なった場合、花芽分化が促進される。
希望小売価格・販売開始時期:2001年4月より有償にて試験販売中。詳細については下記へ問い合わせを願う。
 
【導入上の留意点】

フィルムはトンネルがけか平張りにするが、フィルム自身は熱を吸収するため、作物をすっぽり覆わず、通気が確保できる状態にする。

本フィルムは、可視光線(光合成に必要な光)の部分も幾分カットされているため、照度が不足する時期や地域での使用には適さない。
本フィルムは大学や試験場での試験事例から諸効果が判ってきたが、使用方法や対象作物による差異については今後の検討が必要である。
 
【開発企業・問い合わせ先】

三井化学株式会社
三井化学プラテック株式会社 
農業資材事業部 藤井 康弘
〒100-0064 東京都千代田区猿楽町1-5-18 千代田本社ビル3F
TEL:03-3259-1518
FAX:03-3259-1469
E-mail:yasuhiro.fujii@mitsui-chem.co.jp

 

 
 
 

 

 

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