【概要・特徴】
 中山間地における農地斜面の維持や景観保全のために、環境保全型のイネ科植物を積極的に導入するシステムである。植生は路盤保護の観点から根の伸長性能に優れた、改良日本芝の『みやこ』や『みさと』、ならびに寒地型草種のフェザートップやトールフェスク『JTTFA 』の4 種から選択できる。
特に、改良日本芝は自然草姿が低いため、少ない維持管理で良好な景観形成が可能である。さらに、『みやこ』は天端のみの植栽でも1〜2m ほどの法尻であれば、植栽後1年ほどで畦畔や農地斜面の被覆が可能である(図1)。
 
【導入効果】
盤保護:植生導入は張芝(改良日本芝)または播種(寒地型草種)によるため、整備直後より土壌浸蝕を防止でき、植生は多年生植物であるため長期に維持できる。また、冬に改良日本芝の茎葉は枯れるが、ターフ化した地下茎により路盤は保護される。
景観保全:雑草より低く刈込めるため、適度な維持管理を継続すると芝優先草地として植生は安定し、長期に亘り良好な“緑の景観”が提供できる。
雑草管理の省力化:芝優先草地では草丈の高い雑草の発生が抑えられるため、維持管理の必要性が減り、刈草の回収作業も軽減される。例えば、改良日本芝を導入した上越市では、景観維持のために年2回の刈込みを推奨するが、アンケート調査から作業性の向上も確認された(表1)。
減農薬:維持管理に除草剤を必要とせず、作業通路である畔も痩せない。
 
【導入上の留意点】

育初期は雑草との競合に弱いので新規整備地が望ましいが、未整備地や整備済地でも雑草を除草剤により除去すれば可能である。

生導入直後、特に改良日本芝は張芝によるため、根が活着するまでは適度の潅水を必要とする。なお、融雪直後、梅雨や秋雨の時期に行えば潅水手間の省略が可能である。
改良日本芝の植栽は概ね1年を通じて可能であるが、秋〜冬の植栽では十分に根が下りないため凍上による乾燥害がでることがある。寒地型草種の適期は春または秋である。
 
【実証事例】
 京都府の大宮町、京北町、園部町では、平成13年度より既存畦畔などに植栽し、芝の生育と植栽効果の検討が行われている(図2)。試験の一部は下記のURLより詳細を見る事ができる。そして、長野県飯山市では柳原地区中山間地域振興委員会と地元JAが協力し、平成13年度より試験植栽(図3)を進めると同時に、休耕田(2000)で「みやこ」芝の生産も行い、収穫した芝をH年6 月より営農集落に普及している(図4)。
参照:丹後「農業・農村」ステーションより。詳細(グランドカバープランツ)は下記。
URL :http://www .nkansai.ne.jp/org/dorentango/
註:生産には、弊社との所定の契約が必要です。
 
【開発企業・問い合わせ先】
株式会社ジェイツー 企画開発部
〒103-0004 東京都中央区東日本橋1-1-20(三幸日本橋プラザビル2F)
TEL:03-5833-1575 FAX:03-5833-1576
E-mail:jtg-j2@par.odn.ne.jp

 

 
 

 

 

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