農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門

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ダイアンサス属(Dianthus L.)野生種

ダイアンサス属(Dianthus L.)は、ナデシコ科(Caryophyllaceae)に属し、約300種が主としてヨーロッパ、地中海沿岸から日本にかけてのアジア地域に分布しています。カーネーション(D. caryophyllus)、セキチク(D. chinensis)、ヒゲナデシコ(D. barbatus)をはじめ、多くの種類が切り花、鉢物、花壇に利用されており、園芸素材として非常に重要です。日本には、エゾカワラナデシコ(D. superbus 、ハマナデシコ(D. japonicus)、ヒメハマナデシコ(D. kiusianus)、シナノナデシコ(D. shinanensis)の4種が自生し、ほかにカワラナデシコ(D. superbus var. longicalycinus 、タカネナデシコ(D. superbus var. speciosus)などの変種が分布しています。自生種の一つカワラナデシコ(D. superbus var. longicalycinus)は、万葉の時代から秋の七草の一つとして親しまれてきました。また、江戸時代にはトコナツ(D. chinensis var. semperflorens)、イセナデシコ(D. Xisensis)の改良が盛んだったといいます。

野生種には、現在の栽培品種にはない形質(耐病性、耐寒性、耐暑性など)を持つものもあり、在来品種と同様に、品種改良には不可欠です。そこで野菜花き研究部門では、合計約200点のダイアンサス属野生種を収集し、将来の新品種育成のために遺伝資源として維持保管しています。ここではその一部を紹介します。

一般に、 ダイアンサス属は種間交雑が容易であり、 自生地や形状の著しく異なる種間でも交雑が可能であることが知られている。 従って、野生種に有望な形質が見いだされれば、種間交雑によりカーネーションやダイアンサスに導入できる可能性がある。

これらの野生種を利用した育種事例としては、野菜花き研究部門で取り組んでいる「カーネーションの萎凋細菌病抵抗性育種に関する研究」がある。

詳しくは以下をご覧下さい。

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